バッハ
バッハ。
小学校の音楽室に貼ってある肖像画のイメージのデカさ。
なぜ日本の義務教育では、バッハがクラシック音楽の第一人者みたいに言われているのでしょうか。
その理由は、明治時代の日本は、ドイツの権力の光背が欲しかったからだそうです。
ドイツが音楽の覇権の中心だった以前の音楽の中心は、イタリアでした。
コレッリ、ヴィヴァルディ、パレストリーナなど、そうそうたる音楽家がいました。
しかし明治政府は、イタリアの音楽家を学ばせようとはしませんでした。
政府は、自国の近代法を整えるべく、ドイツのプロイセン法を参考にしながら整えていきました。
それで、ドイツ以前の音楽の歴史は、排除したのだそうです。
それでも、やはりバッハの影響はとても大きいです。
バッハの時代(バロック)のキリスト教圏における音楽は、信仰心の表現のためのものでしかなかったそうです。
それ以外は一切認められなかったそうです。
したがって、作曲家は、芸術家というよりも、職人という面が強かったのです。
しかしバッハは、音楽に情緒を持ち込むことに成功しました。
バッハ以前のグレゴリオ聖歌と、バッハのG線上のアリアを聴き比べても、全然違いますもんね。
ちなみにバッハの音楽の特徴は、おごそかで上品な点です。緻密に作られていて、気品高い音楽として知られています。
さあ、バッハの作品を見ていきましょう。
1、「シャコンヌ」
私はこの曲を、ヴァイオリニストである庄司紗矢香さんの演奏で初めて聴いたときに、いくつもの衝撃が重なりました。
まず、不協和音、からの、めっちゃ強い弓の弾き方。
無伴奏ということもあり、ヴァイオリンの音のみで構成されるので、その緊張感で更に弓の音が張り詰めます。
今でも大好きな曲の一つです。
2、ピアノ協奏曲第1番
神々しい曲です。あぁ、バッハっぽいなーっていうメロディラインです。
ベートーヴェン
ベートーヴェンは、ドイツのクラシック作曲家です。
古典派音楽を集大成させ、またロマン派への橋渡しをした作曲家です。
その中でもベートーヴェンは、とても大きな功績を遺しました。
その功績とは何でしょうか。
ベートーヴェン以前の音楽家は、宮廷や教会からの注文に応じて音楽を生産する「職人音楽家」だったそうです。
しかしベートーヴェンは、音楽を「芸術」だと言い、自身の作品でその考えを具現化していったのだそうです。
ベートーヴェンがその考えに至るには、当時流行していたカント哲学の影響が大きかったそうです。
カントの『判断力批判』は、ベートーヴェンに強い影響を与えました。
その『判断力批判』は、「音楽」は芸術の中で最も低級なものだと論じたそうです。
音楽は、その場限りの刹那的な快楽としては有効だが、人間の生き方に大きな影響を及ぼしはしない、としたそうです。
そのことを知ったベートーヴェンは、音楽を、思想や哲学を伝える道具としてとらえ、自作の中で実践しようと努めたそうです。
かっこいいですね。
ベートーヴェンの三大ソナタといえば、「月光」「熱情」そして「悲愴」です。
私はそのどれもが好きですが、特に「悲愴」のメロディーにはじぃんと来ます。
そしてベートーヴェンの交響曲で有名なのは、やはり「第九」。みなさんも一度といわず、何度も耳にしたことがあるのではないでしょうか。
現代でも愛され続けるベートーヴェン。彼の功績は永久に色褪せることはないでしょう。
【ベートーヴェンの代表作】
・交響曲第3番 「英雄」・・・イタリア語の原題に由来する「エロイカ」の名で呼ばれることもあります。この「英雄」の副題は、フランス革命後の世界情勢の中、革命的英雄のナポレオンへの共感から、ナポレオンにささげる曲として作曲されました。
・交響曲第5番ハ短調 「運命」・・・第1楽章の冒頭の動機、「タ・タ・タ・ター」のメロディーは、ベートーヴェン自身が「運命はこのように扉をたたく」と言ったと、弟子のシントラーによって伝えられています。
・交響曲第6番「田園」・・・この曲は、ベートーヴェンが、その自然の風景をこよなく愛していたウィーン郊外のハイリゲンシュタットで作曲されました。その明るさと自然の持つ開放感のある安らかさが溢れています。
交響曲第9番 「合唱付」・・・まぎれもなくベートーヴェンの最高傑作の一つです。年末になると日本全国のいたるところで演奏されます。一年の締めくくりに聴いて感動する「歓喜の歌」です。
ブラームス
ブラームスは、ドイツの作曲家です。
バッハ、ベートーヴェンと共に、ドイツ音楽における三大Bと称されます。
作風はロマン派音楽に属しますが(たぶん時代的にそう該当してしまったんだと思います)、古典主義的な形式美を尊重する傾向が強いです。
ブラームスは、ベートーヴェンを崇拝し、バッハに心酔していたそうです。
え!?そうなの?と私はそう思いました。
何を隠そう、私はずっと、ブラームスのこと、ロシアらへんの作曲家だと思ってたんですよ。
ブラームスの交響曲とかが、シベリウスのフィンランディアっぽいなって思ってたので、なんかちょっと民族的なものを感じていたんですね。
寒い地域で洗練された、澄んだ和音をよく多用しているなぁという印象だったので。
まさかウィーンとかドイツの人だとは思いませんでした。
調べてみると、ブラームスはドイツのハンブルクという、かなり北の方出身らしいので、それも関係してるのかなと思いました。
また、ブラームスの曲は、チェロやコントラバスといった低音を重視した重厚な響きを持つ曲が多いのが特徴です。
話は変わります。
響という、サントリーから発売されているブレンデッドウィスキーがあるのをみなさんご存知ですか?
まぁ知ってる方も多いと思います。
響は、色々な種類の原酒が複雑に重なり合い、最高の響=ハーモニーを奏でたいという思いを込めているそうです。
この「響」ですが、フルーツタルトのような美味しさで、とても馴染みやすい味だなと私は思いました。
響のチーフブレンダーである稲富さんという方が、実は、ブラームスの交響曲第1番4楽章をイメージしながらブレンドしていたそうです。
聴覚と味覚、そして記憶と想起の類似性には、驚きました。
それでは、ブラームスの作品を見ていきましょう。
1、交響曲第一番 4楽章
よくドラマとかでも用いられる、とてもなじみの深い聴きやすい曲です。
画家に、光の魔術師と称されるレンブラントっていう人物がいるんですね。
レンブラントの魅力って、影を巧妙に描いたからこそ、光の表現が美しく見えるんですね。
レンブラントはバッハの時代のバロックの人なんですけど、ブラームスのバロックっぽさって、影を巧妙に表現したところなんじゃないかなと思ったんですね。
2、弦楽五重奏曲第2番
非常に美しい曲です。
実はこの曲、ブラームスが一番最後に作曲した作品です。
高音と低音が織りなす和音が本当に心地よいです。
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