世阿弥の魅力とは?

日本文化

世阿弥とは、室町時代、能の基本を作った能役者、能作者です。

彼の著書、『風姿花伝』や『花鏡(かきょう)』は、能の跡を継ぐ者に向けて書かれた芸術論です。

今日は、世阿弥の言葉に迫ってみたいと思います。

「一切の事(じ)に序破急(じょはきゅう)あれば、申楽(さるがく)もこれ同じ」

能は「序破急」という様式で構築されています。形式の3区分を表したものです。

序は導入、破は展開、急は終結部分とする考え方です。

話す順番を間違えると相手に伝わりません。順番を考えながら、話してみましょう。

「調子を機にこめて声を出すがゆへに、一調・二機・三声とは定るなり」

これは、能役者は舞台で声を発するとき、心と体の中で音程を整え(一調)、タイミングを計り(二機)、目を閉じ、息を溜めてから声を出す(三声)とよい、という意味です。

漠然と話しかけても相手には伝わりません。相手を引き付けるトーンとタイミングを踏まえ、その上で初めて声を出しなさい、という教えです。

「これ、諸人の心を受けて声を出す、時節感当なり」

能では、幕が上がり、役者が舞台に登場します。そして第一声を発するのを、観客が「今か、今か」と待ち受けます。

その期待が最高潮に達した瞬間に、声を出すのがよい。早くても遅くてもダメだ、というわけです。

役者の都合ではなく、観客の心を受けて声を出すという「時節感当」の教えです。

これは、私たち現代人にも当てはまります。交渉でも雑談でも、相手があることすべてに当てはまります。

場の雰囲気を察し、相手を意識し、相手が今何を感じているかを読みながら声を発しないと、相手の心に響きません。

「ただ、花は、見る人の心にめづらしきが花なり」

能は、受け手側が新鮮な感動を観客が受け取ってこそ舞台の魅力となります。

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