5年間抱き続けた夢「観光ガイドになる」に挫折して、為末大著『諦める力』を読んで思ったこと

はいみなさんこんにちは。

私は親に愛されず、期待も何もされず、教育もかけられず、ただただ透明な存在として学生時代を過ごしました。

まわりは塾通い貴族、受験貴族の中、私だけ透明な存在として生き延びました。

学校を卒業後、京都の街に憧れて、京都に移住しました。

そして、「観光ガイドになる」という夢を手に入れました。

5年努力した結果、挫折し、その夢を諦めるに至りました。

その過程も織り交ぜながら、為末大さんの書かれた『諦める力』の話をしていこうと思います。

陸上の世界で「花形」といわれる種目が、100メートル走です。

翻って私の場合、「リベラルアーツを他者に伝える花形の職業」が、観光ガイドでした。

花形の職業を手に入れた人々はシンプルにわかりやすく、「努力して成功した人」です。

為末さんはご自身の著書で、「(自分の選んだ)400メートルハードルは、華やかさに欠け、注目されない種目」と書かれています。

翻って私の場合も、リベラルアーツを他者に伝えるために今続けられている記事作成や音声配信は、観光ガイドと比べて華やかさに欠けます。

さて。私の最終目標は何でしょうか。

観光ガイドでしょうか。

違いました。観光ガイドは手段です。最終目的は、「愉悦と数寄の世界に没入する」「世界のあらゆる古今東西の森羅万象を学び続ける」「リベラルアーツを他者に伝える」です。その最終目的を果たすために、花形職業や花形役職に就かなくてもいいわけで。

私は、学びに没入・発信できる環境を整えていくことに生活をシフトしていきました。

普通の高校生なら、たとえば部活を頑張るとか、受験を頑張るとか、プログラミングを頑張るとか、何かしら頑張ってるんだろうと思いますが、私はいかんせんネグレクト虐待下のもとで透明な存在として学生生活を送っておりましたので、「何かを頑張って何かを掴みに行く」という経験ができませんでした。

しかし社会人になって、初めて「観光ガイド」という夢に出会って、それにがむしゃらに努力して打ち込んで、そして挫折をしてその夢を手放す、という経験をしました。

それは私にとって、全力で実力を試した初めての経験です。

私はその夢を追っていく過程で、たくさんの学びがありました。

嫉妬とか、階級とか、お金のこととか、色んな感情を知りました。

日本文化を学んでいくうちに、老子、李白、寒山、鴨長明など、たくさんの人々の人生哲学を知りました。

そうして私は今、誰とも戦う必要のない境地で思う存分、数寄の世界の愉悦に没入して幸せに過ごしています。

人は、可能性を絞っていくことで、何をすべきか知ることが出来るのです。

執筆者:山本和華子

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