みなさんこんにちは。
今日は、加賀友禅のお着物をご紹介したいと思います。
加賀友禅とは、着物の染色技法である友禅の一つになります。
そもそも友禅とは、布に模様を染める技法のひとつです。
でんぷん質の防染剤を用いる、手書きの染色を友禅と呼びます。
友禅の中の一つである加賀友禅は、加賀国(現在の石川県南部)の工芸品で、現在も金沢市を中心に制作・販売されています。
加賀友禅の特徴は、「虫食い」という技法を使っていることです。虫に食われて朽ちてしまっている葉をあえてデザインに盛り込むことで、柄に現実感を生み出しています。
今日は、その加賀友禅で有名な二人のお着物をご紹介します。
由水十久(ゆうすい とく)の訪問着です。

しっとりとした薄紫色に、清楚な白い野ばらと可愛らしい童女の彩色。
圧倒的な芸術性と叙情性を兼ね備えた、初代由水十久作の貴重な訪問着です。
童女の、白磁のような肌と真紅の唇、細く柔らかい髪の一筋一筋までもが繊細に表現されています。
中古ですが未使用品で、大変状態が良く、綺麗です。
由水十久の作品の特徴は、人物画を好み、特に童を題材にして独自の世界観を作り上げているところです。
髪の毛の一本一本から服装の細かい部分まで友禅で仕上げます。
まさに十久ならではの職人芸です。
由水十久は、アメリカ・イギリス・ドイツなどで個展を開き、日本だけでなく世界中に活動の場を広げ、海外からも高い評価を受けていました。
今日はもう一人、ご紹介します。
木村雨山(きやまうざん)の訪問着です。

さらり、しなやかな質感の縮緬地。
地のお色は鼠色をベースに、柴垣が裾に描かれています。
加賀友禅は落ち着いた絵画調の表現が特徴の一つですが、木山雨山の作品ではそのような伝統的な表現・技法に、日本画で学んだ技法が取り入れられています。
また、日常生活の中で目にするものや、自然のものを多く取り入れているのも、雨山の作品の特徴です。
また木山雨山の作品は、優しい色合いとなめらかな線で描かれています。
パーティーに訪問着、いかがですか?
執筆者:山本和華子
私の著書、『京都観光 A to Z』が出版されました。
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