エマニュエル・トッド著『思考地図』の要約

●ここ数十年の間に吹き荒れたネオリベラリズムが、社会科学と歴史的考察をすっかり荒廃させてしまいました。

●起業の自由や資本主義というのは、宗教あるいは家族から発生する社会的な道徳を基盤としていなければ本来は機能しません。家族あるいは宗教に根ざす道徳心がなければ、資本主義は効力をなくし、腐敗していきます。

●知性とは、処理能力、記憶力、創造性の3つに分類できます。

創造的知性とは、すでに手元にあるデータを説明する、あるいはかたちづくるために脳にあるさまざまな要素を自由に組み合わせ、関連付けることができる知性を指します。

●ひたすらに本を読み、知識を蓄積していくこと。何かを学び、新たなことを知ったときの感動こそ、私が大切にしてきたものです。

●思考とは手仕事なのです。

●アイディアを得るために、そして思ってもみなかったような事柄に気付けるようにするためには、その研究の柱となる部分から外れた読書をすることが大切なのです。

●データ収集を積み重ねていくと、やがて着想がやってきます。それは仮説とも呼びます。

●フランス人も、発展途上国の国の人たちも、みんな同じ人間であり、同じ遺伝子形態をもち、結局は死へと向かいます。社会科学が探究の対象としているのは、このような存在としての人間であり、社会なのです。

●歴史こそが人間を定義します。「人間とは何か」というような抽象的な問いから出発すれば、どこかで間違えてしまうと私は考えています。歴史を学ぶことによって、そこからさまざまな社会における人間どうしの関係性が見えてきます。この歴史こそが、「人間とは何か」を語りかけてくれるのです。

●私にとって思考することの本質とは、とある現象と現象の間にある偶然の一致や関係性を見出すことです。

●ハンガリー旅行で得た知見は、ハンガリーが他の西側諸国に比べてそんなに特別ではない、普通だ、ということでした。共産主義こそが何か素晴らしいものを生み出すと信じていた私はそのことに驚きました。ハンガリーはありふれた、普通の国でした。また、共産主義をどうでもよいと思っている若者がたくさんいたことにも驚きました。私はその積み重ねから、ソ連は崩壊するだろうという仮説に至ったわけです。

●ある同じような思考をもった集団がある事柄を信じ込むのですが、それが外の現実とはまったくそぐわないという事態が起こることを、グループシンクといいます。

●外に出るためには、精神的にほんの少しだけ「ずれている」というのがいいのかもしれません。頭があまりにも効率よく働いてしまう人たち、つまり出る杭にはなれない人たちからは、新しいアイディアは生まれません。

●理想の歴史学者とは、過去と未来を生きる人間であるべきなのかもしれません。

●プロの仕事や手つきには、おのずと芸術性が宿るものです。リスクを負う、思い切る勇気がある、というのが、私が言うところの「芸術的な学者の条件」なのです。

内容を気に入っていただけましたら、ぜひ本書を手に取って読んでいただけましたら幸いです。

オリジナルバッグを販売しています。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

普段はOLやってます。仕事が楽しすぎて鳥になりそう。
週末は物書きしてます。新刊『ほっこりしたい人のための 週末、日本文化』アマゾンで購入可能です。
「暮らしに教養の深みと愉しみを」をモットーに、記事を執筆しています。

目次
閉じる