みなさんこんにちは。
今回は、西洋アートを、時代順に解説していきたいと思います。
<古代ギリシャ・ローマ>
古代ギリシャから人間中心の現実主義が始まり、人間美に目覚めました。
ここでの写実の成立が、西洋美術の骨格を形成します。
アレクサンドロス大王の東方遠征、ローマ帝国におけるその継承と発展を経て、ギリシャ文化は広く根付きました。
イタリア半島に起こったローマ文化は、ギリシャ系の先住民族から大きな影響を受けました。
<ビザンティン>
313年、ローマ帝国でキリスト教が公認される頃、ローマ帝国は東西に分裂し、のち西ローマは滅亡しました。
東ローマはビザンティン帝国とも呼ばれ、その後1000年にわたって繁栄しました。
ビザンティン美術は、モザイク画に代表されます。
ここで、キリスト教美術が発生します。
5~6世紀のモザイクとしては、ヴェネツィアのサン・マルコ大聖堂のモザイクが有名です。
<ロマネスク>
西方のキリスト教美術は、ローマ建築を手本としたロマネスク(ローマ風の、という意味)美術をもって再興されました。
聖書の物語を絵解く、布教のための絵画がフレスコ画として書かれました。
この時代には、ミニアチュール(写本挿絵)も布教のための大事な道具であり、羊皮紙に彩りも美しい福音書がつくられました。
<ゴシック>
ゴシックという名称は、ゴート族と呼ばれた部族に由来します。
フランス、ドイツを中心に、天を衝く高い塔、ステンドグラスなどの特徴をもつ大聖堂が次々とつくられました。
<ルネサンス>
15世紀に入りイタリアのフィレンツェには、人間と自然に着目した新しい表現が生まれました。
キリスト教中心の1000年にわたる中世が終わり、ギリシャ・ローマ時代に理想を求めた人間像が復活します。
ルネサンスとは、人間中心の古典文化の再生を意味します。
この時代の代表的な画家は、フラ・アンジェリコ、ボッティチェルリ、レオナルド・ダ・ヴィンチ、ラファエロ、ミケランジェロなどがいます。

<マニエリスム>
マニエリスムの語源は、手法という意味の「マニエラ」からです。
ダ・ヴィンチなどの巨匠たちの作風を、追従した画家を多く生み出しました。
マニエリスムの絵画の特徴は、様式化されていること、技巧を極度に追求したことが挙げられます。
<バロック>
バロックとは、ポルトガル語で「ゆがんだ真珠」を意味します。
絵画においては光と影の振幅を劇的に強調した、ダイナミックな表現をみせました。
この時代の代表的な画家は、ルーベンス、レンブラント、カラヴァッジョ、フェルメール、ニコラ・プッサンなどがいます。
<ロココ>
18世紀には、パリがローマにかわってヨーロッパ美術の中心となりました。
優美で日常的な様式をロココと呼びますが、これはつる草や貝殻をあしらったロカイユ模様が由来です。
<新古典主義とロマン主義>
フランス革命後、美術界は、力強い古典的な描写へ方向転換がありました。
しかしその一方で、ロマンを求めた画家たちもいました。
ロマン派で代表的な画家は、ドラクロワ、ジェリコーなどです。
<バルビゾン派>
華やかなパリのサロンに反して、農村の日常生活に人間本来の生き方をもとめた画家がいました。
その名はミレー。
あるがままの自然を求めた画家たちを、バルビゾン派と呼びました。
<印象派>
モネ、ルノワール、セザンヌなどが、パリのサロンの動きとは別に、印象派展を開催しました。
従来のサロンは、神話、歴史物語などを描く作品で占められていました。
しかし、印象派と呼ばれるグループは、色彩の表現の仕方などで旧来の常識を塗り替えました。

<象徴主義>
光に溢れた日常を切り取った印象派とは逆に、夢や楽園の幻想などを描く象徴主義の展開が現れました。
この時代の代表的な画家は、モロー、クリムトなどがいます。