「この人の心に私の存在すべて、残りたい」と思える人に、出会うということ

作家として今、考えていること。

作家活動を始めて3年目。

本当に色んなことがありました。

紙の本を出版する喜び。自分の本を手に取る喜び。

好きなことを通して社会と繋がっていける喜び。

印税をいただける喜び。

プロのデザイナーさんに表紙を作成していただける嬉しさ。

地道に営業にまわって、書店に自分の本を置いていただけないか交渉をする経験。

お寺や神社、美術館や博物館に原稿を確認・校正していただく地道な作業。

自分の本がお店に並ぶ喜び。

読者の方から感想をいただける嬉しさ。

もちろんいいことばかりではありません。嫉妬されたり、印税のことしか考えてないがめついkindle作家に私の名前を勝手に利用されたり、そういう負の側面ももちろんありました。

また、仲良くしていた作家仲間との連絡が途絶えてしまったこともありました(ゆうぴさん、お元気にしていますか)。

私は元々、印税をどれだけ稼ぐとか、SNSのフォロー数を増やすとか、そういうことにはあまり興味がなく、

どちらかというと、本当に信頼できる方々と長いお付き合いをし、誠実なビジネス関係を構築していくことや、

本当に面白いと思える本、読者のみなさまに喜んでいただける本を執筆していくことの方が大事だと考えています。

私のことをことさらに意識してやたらにネガティブキャンペーンを繰り返している方もいるみたいですが、

10年後が楽しみだなと思っています。





私は作家として、これからどんな価値を人さまに提供していけるだろう。

そして、読者のみなさまにどんな姿を魅せていけるだろう。



私は学生時代、室井佑月さんや中村うさぎさんのエッセイをよく読んでいました。

私が以前出版した本に『実家の太いお嬢様への嫉妬を、いよいよ手放すときがきた』がありますが、

その本は、室井佑月さんや中村うさぎさんなどの先人たちが作ってくださった、

「闇深いけど、前向きで健気に生きる女子のエッセイ」という道の延長に、私の本が出来上がったと思っています。

室井佑月さんも中村うさぎさんも、私にプロの作家としての姿を見せてくれました。

今回は、私が後世の女の子たちに、作家としての姿を見せていく番だと思いました。

本というのは、自分一人で作れるものではありません。

たくさんの先人たちの言葉を吸収し、紡いで、後世に手渡していくものだと思っています。

連綿と続いてきた作家の道を知り、そしてそこからまた新しい道を創っていくのです。





先日、私はある方の存在を知り、非常に感銘と衝撃を受けたというお話をしました。

彼は、たくさんの人の心を動かし、たくさんの人の心に残り、影響を与えてきて、これからもずっと人生の旅を続けていくのだろうなと思いました。

翻って私は、いったい、最終的に誰の心に残りたいのかしら、と思いました。

本当に、私は、誰の心に残りたいんだろう。

もちろん、作家活動を通して読者のみなさまの心に、少しでも私の言葉が届いてくれたら嬉しいなという気持ちはもちろんあります。

でも、不特定多数のことじゃなくて。

「この人の心に私の存在すべて、残りたい」というような人に、私はまだ出会えていないかもしれません。

そして最終的に私は、誰の思いを自分の心に残しておきたいんだろう。

「世界でただ一人、選びなさい」と神さまに言われたら、私は誰の思いを選ぶんだろう。

まだ出会ってないのかもしれません。

『星の王子さま』を書いたサン=テグジュペリの名言に、

「愛はお互いを見つめ合うことではなく、ともに同じ方向を見つめることである」というものがあります。

私はそういう人に出会いたい。

そういう人の思いを自分の心に残したい。

不特定多数のうちの一人は絶対に嫌ですね。私はわがままなので。

というかわがままじゃなかったら室井佑月さんの本も中村うさぎさんの本も読んでません(笑)

執筆者:山本和華子

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