本当は私、このサイトで、
何度も何度も、ある旅人に対して、
ひどいことをたくさん書いては削除を繰り返してきた。
自分が傷つきたくないからって
自分から何度も何度も裏切ってきた。
でも翌日になれば、何事もなかったかのように、
私はしれっと穏やかな推し活に戻る。
歴代の、私に推されてきた男たちはみな、
私のこと嫌いだし、私のSNSのアカウントをブロックしてるし、
憎んでる人も多いだろう。
私はそれなりに「言葉」が鋭い女だから、
言葉で相手をグリグリに攻撃して
自分の殻にこもる癖があったりする。
バチンと縁を切って、強制的に他人になることもあった。
そうやって私は、歴代の推してきた男たちに、猛烈に嫌われてきた。
そういう関係性しか築けなかった。
そういう関係以外の築き方を、私は知らない。
一見、私の行動は大胆のように見えるけど、
本当は、誰よりも臆病で、傷つくのが怖いだけ。
今の推し、つまり先述の旅人は、良くも悪くも、
私を放っておいてくれる。
私が「金輪際大嫌いもー知らん！！！」とか言って、
バーでハイボールをあおりながら泣きじゃくって一生分の涙を流しても、
バーの美人ママにどれだけ旅人の悪口を言っても、放っておいてくれる。
（その旅人とは在原業平ですか？）
私といういちファンの存在をまだ認知していないだけなんだろうけど、
それでも放っておいてくれる。
そして、私の泣きじゃくりが収まったら、
また、何事もなかったかのように、新たな推し活の一日が更新される。
永遠に推し活人生が続いていくなんて保証は、どこにもない。
だからこそ、その更新されていく毎日が、
私にとっては全然当たり前のことじゃないから、大切にする。
一日、一日を大事に、更新していく。
私は毎日、推しである旅人に、ごめんね、って思う。
そして、ありがとう、って思う。
執筆者：山本和華子
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