イランの世界遺産① ペルセポリス
ペルセポリスは、アケメネス朝ペルシャの最盛期に建設された宗教都市です。
ギリシャ語で「ペルシャ人の要塞」を意味するペルセポリスの創建は、ダレイオス1世の時代に始まります。
ペルセポリスは毎年、春分の日に行われた「新年の大祭」の際の宗教儀礼の場として使われていました。
ペルセポリスの建築群の随所には精緻なレリーフ(浮彫)が見られ、玉座殿の入り口には、古代ペルシャ人の民族宗教であるゾロアスター教の最高神、アフラ・マズダのレリーフがあります。
イランの世界遺産② イスファハーンのイマーム広場
イラン中部の都市イスファハーンは、ザーヤンデ川の水と豊かな緑に恵まれたオアシス都市です。
イランにイスラム王朝であるサファヴィー朝が興ったのは16世紀です。
アッバース1世はこの地を首都と定め、コーランに記された楽園を手本とする壮大な都市建設に着手しました。
16世紀末から17世紀にかけて、イスファハーンは「イランの真珠」と言われるほどの美しい都市に発展していきました。
広場の回廊に組み込まれるように立つイマームのモスクなどには、彩色タイルによって彩られたアラベスク模様があしらわれました。
イスファハーンは、イランの伝統工芸であるペルシャ絨毯の産地としても知られます。
絨毯や刺繍、金属細工、彩画陶器(クバチ焼)などの工芸品が、ペルシャ湾の港から多く輸出されました。
イランの世界遺産③ タフテ・ソレイマーン
イラン北西部に位置するタフテ・ソレイマーンは、「ソロモン王の玉座」を意味するゾロアスターの聖地跡です。
ゾロアスター教は、火を神聖視しており、いくつもの火口湖がある火山地帯のこの地に宗教的な価値を見出しました。
紀元前6世紀から紀元前4世紀に勢力を誇ったアケメネス朝ペルシャが、ゾロアスター教を国教としたことから、タフテ・ソレイマーンは国家的な祭祀を行った拝火檀(アザル・ゴシュナスブ)として、多くの巡礼者を集める重要な聖地に発展したと考えられています。
イランの主要産業
政府は歳入を石油に依存する状況から脱却を目指し、自動車製造業、航空宇宙産業、家電製造業、核技術など、他分野への投資を行い、産業の多角化を試みています。
またイランは、鉱業、観光業、情報通信技術産業分野で大きな潜在的可能性を持っています。
イランの治安
イランの治安は比較的良いと言えます。
外務省が発表している「海外安全HP」では、イランは現在(2024年1月時点)ほとんどの地域が危険レベル1となっています。
女性の場合、観光するならスカーフで髪を隠すのがマストです。また、肌の露出が少ない服装で出かけましょう。
イランの伝統工芸品
【ペルシャ絨毯】
作られる地域によってデザインの特徴も異なります。
イランでは、絨毯は鑑賞用としても作られ、アートとしても機能しています。
【ミーナ・カーリー】
お皿や壷などにエナメルで色や模様をほどこし、それを焼きつけて作ります。
【ハータム・カーリー】
イランの象嵌細工です。ラクダの骨や真鍮、貝殻などで台木に嵌め込んで制作されます。
執筆者:山本和華子
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