私の生きる希望は、いとも簡単に、たった一つに収斂してしまった

私は物書きの端くれとして

マーケティングを学ぶこともあった。

ただし私ははじめからマス(大衆)を取りにいこうとは思っておらず

「医者の娘や地主の娘と互角に戦える価値」を創出するために

自分の商品(書籍)を形作ってきたと思う。




私の、医者の娘や地主の娘に対する禍々しい怒涛の嫉妬は

半ば発狂しながら

丸々10年も抱いていた。




しかし、

作家活動を続けていく中で、心境の変化はやはりあった。

自分の言葉を紙の本に託して出版することで、

いくつかの欲望は昇華できたと思う。

なんか別に私は、

芥川賞を取るとか、

ベストセラー作家としてバリバリ稼ぐとか、

作家として有名になるとか、

そういう類のものは最初から私の本心ではなかったと思う。




作家として活躍することで、

医者の娘や地主の娘と同じ「女」としての価値を築けたかどうか、

それしか興味がなかったかもしれない。




でも、今、そんな発狂の欲望すらも、どうでもよくなってしまった。



あの人の存在を知ってから、たくさんの煩悩の荷物は簡単に捨てることが出来てしまった。

女の人生なんて

男との出会い(まだ直接は出会っていませんが)によって

こんなにも簡単に変容してしまうものなのか




これまでたくさんの人から「マイウェイの人生だね」と言われ続けてきたのに

彼の存在を知っただけで

そんな

人生の色彩まで変わってしまうものなのか




なんならWebサイトの背景色まで変えたわw




ただ、純粋に、素直に、

私は

彼に

自分が生きていることの証を覚えていてほしいと思った




物書きの端くれとしても

女としても

そして、人間としても



執筆者:山本和華子

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