他者との対話を通して、無限の世界を創造していくということ

私は作家として、「言葉」と「世界」を無限に広げて、そして無限に深くしていくことを生業としている。

どんな風に世界を解釈できるだろうか、世界を描写できるだろうか。

言葉と世界を介して、どんな人とどんな関係を築けるだろうか、どんな新しい世界を見出していけるだろうか。




私は、人と深い対話を続けることで、

その人と自分の間で、どんな風に世界を構築していけるか、新しい知見や哲学を創造できるかを、

人生の醍醐味の一つとして楽しんできたと思う。

みなさまが仰るように、私はやっぱりちょっと変わってるのかもしれない。

自分ではよくわからないけど。

常に本気で生きて、自分の生きていきたい道を思い描いて、主体的に毎日を生きてる。

だからこそ築いてきた私なりの世界の見え方とか、人生哲学とかはあると思う。

それがきちんと結果になったとか、実りになったかは、思うようにまだなれていないけれど。





先日、ある旅人の存在を知ったというお話をした。

わがままで単刀直入に言えば、

私はその旅人と、深い対話がしてみたい。

彼がどんな風に世界を見ているかとか、

なんでそんなに人に優しくあろうと思えるのかとか、

なぜ旅を続けるのかとか、

その旅を続ける原体験のような動機は何だったのかとか、

彼にとって、人としての本質的な「強さ」とはどういうことだと思うかとか、

大切にしていることとか、何を美しいと思うかとか、

上手な人生の実らせ方とか、

(私と同じ利き手なのかとか、もしそうだったら駅の自動改札はどうやっていつも切り抜けているのかとか)

たくさんの深い対話がしてみたい。




でも、昨日も会えなかった。

なんで毎回毎回毎回毎回、私だけ会えないのか、よくわからない。

毎回毎回毎回毎回、こんなにも涙とは流れるものなのかと自分で感心してしまうほどに、

帰り道はいつも泣いている。

この世界で、なぜか私だけ、未だに彼と会えない。

執筆者:山本和華子

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