はいみなさんこんにちは。
国際関係について学んでいると、お金や経済にまつわる用語が出てくることが多く、
よくわからなくてこれはまずいぞと思い、一旦、お金のしくみと歴史について整理してまとめようと思い、
今回はお金をテーマとして記事にしました。
お金の始まりと兌換紙幣
古代~近世にかけて、人々は金貨や銀貨を「お金」として使っていました。
しかし、金や銀は重くて運びにくく、大量取引には不便でした。
シルクロードや砂漠を行き来するキャラバンや商人を想像してみましょう、通貨は軽い方がいいですよね。
そういうわけで商人や銀行は、「金を預かり、引換証(紙)を発行する」というしくみを作りました。
これが兌換(だかん)紙幣です。
これにより、紙幣の信用は金(Gold)によって裏付けられました。
【兌換紙幣とは?】
その紙幣を中央銀行や政府にもっていけば、必ず一定量の金や銀などと交換できることが保証されている紙幣のこと。
信用の源は、国家の金・銀の準備にあります。

金本位制の確立
19世紀後半、ヨーロッパは産業革命で経済が急成長します。
貿易も盛んになり、世界共通の基準が必要となりました。
そこで採用されたのが、金本位制です。
金本位制のメリットは、各国の通貨が金で裏付けられることで信用が高く、国際貿易が活発に進むことです。
デメリットは、金の量が経済の成長を制限してしまうことでした。
不況時に金が足りないと通貨発行できなくなり、経済が滞って今います。
当時、世界大戦や世界恐慌で各国が金の輸出を止め、金本位制度は崩壊しました。
【金本位制とは?】
通貨の価値を金(Gold)に結びつけた制度。
1ドル=金〇グラム、というように、価値が固定されます。
不換紙幣への移行
第一次世界大戦により各国の財政は破綻し、金の準備も不足します。
各国は戦費をまかなうために紙幣を乱発しました。
その結果、金との兌換は廃止され、不換(ふかん)紙幣へと移行します。
この時代から、お金の価値は「金(Gold)の量」ではなく、「国家と経済の信用」によって決まるようになりました。
【不換紙幣とは?】
国家や中央銀行の信用を基盤に流通している紙幣。
信用の源は、国家が法定通貨として定めた「強制通用力」と、その国家の信用に基づいています。

ブレトン・ウッズ体制
1944年、世界経済を安定させるためにブレトン・ウッズ会議が開かれ、そこでブレトン・ウッズ体制が決定しました。
【ブレトン・ウッズ体制とは?】
1944年から1971年にかけて敷かれていた制度で、各国の通貨はドルに固定されていました。
例えば日本円の場合、1ドル=360円に固定。
アメリカでは「1オンスの金=35ドル」で兌換を約束、米ドルが基軸通貨となりました。
他国通貨=ドル=金(Gold)と、間接的な兌換紙幣みたいな感じですね。
戦後、アメリカが金の保有量の2/3を独占していたため、当時はアメリカが世界の信用の中心となりました。
この時代に、IMF(国際通貨基金)や世界銀行が設立されました。
金が世界に分散されればブレトン・ウッズ体制は自然崩壊することがわかっているのに、
なぜ当時、わざわざ間接的な兌換紙幣制度のようなものを復活させたのでしょうね。
ちょっとここは疑問かも。
ニクソン・ショックと管理変動相場制(1971年~現在)
1960年代、ベトナム戦争や対外支出によりアメリカは財政赤字となります。
世界の国々が「ドルの裏付けとなる金が足りないのでは?」と不信を抱き、
金への交換を求める動きが加速しました。
そして1971年、当時のアメリカのニクソン大統領が、ドルと金の兌換停止を発表しました(ニクソン・ショック)。
これにより、ブレトン・ウッズ体制は崩壊しました。
世界は再び不換紙幣の時代に入り、現在は管理変動相場制となっています。
現在のお金の価値を支えているのは、国の信用と市場の信頼です。
【管理変動相場制とは?】
各国の通貨の価値を、市場の需要と供給(外国為替市場)で変動させる制度。
各国の通貨は信用を基盤に発行されます。
中央銀行が必要に応じて為替介入を行うため、「管理」変動と呼ばれます。
執筆者:山本和華子
