日本の伝統的な色彩 ~古代から平安時代まで~

【朱華(はねず)色】

「万葉集」には「はねず色」を詠んだ歌がいくつかあります。

はねず色は、庭に咲いた桜の色だと考えられています。

【黄檗(きはだ)色】

奈良時代、写経するための紙には、防虫のために黄檗色に染色されていました。

黄檗はミカン科落葉樹の木で、その樹皮が染料に使われました。

また、黄檗の樹皮は、果実として食べたり、薬用として使われたりしました。

【緑青】

天然の緑青は古代中国、エジプト、ギリシャなどで使用されていた、最古の緑色顔料です。

日本には飛鳥、奈良時代に岩絵の具の顔料として、中国から伝えられました。

【瑠璃色】

宝石の瑠璃が、パキスタン、インド、中国などを経て、シルクロードを伝って日本に渡ってきたものが、

現在、正倉院に納められています。

また、奈良県の高松塚古墳の壁画にも瑠璃の顔料が使われていました。

【藍色】

藍は、人類最古の植物染料だと考えられています。

967年に施行された律令のルール「延喜式」にも、この色名が書かれています。

【紅梅色】

平安時代、清少納言によって書かれた随筆、「枕草子」には、

紅梅色は当時の高貴な身分の女性たちに大変人気があったことが書かれています。

【韓紅花(からくれない)】

平安時代、この舶来染料はとても高価なもので、「古今和歌集」に収められていた和歌には、

涙の色も紅に染まる、という表現があるそうです。

まるでXJAPANのようですね!

【蘇芳(すおう)色】

南アジア原産のマメ科植物の蘇芳は、古代から日本で染料として用いられており、

高位の女性の礼服の色として用いられてきました。

執筆者:山本和華子

※色彩の画像の表示は、福田邦夫著『すぐわかる日本の伝統色』に記載のRGB値をもとに作成しています。

【動画で解説を観たい方はコチラ】

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