みなさんこんにちは。
今日は、西洋美術と対比しながら、日本美術の特徴を見ていきましょう。
まず、日本美術の特徴を挙げていきたいと思います。
日本美術は、継承の美術
西洋美術には、既存の芸術を壊すことで、常に新しい価値を生み出す歴史があったそうです。
一方、日本美術は、「伝統」を重んじられる傾向が強く、技術や考え方をいかに継承しているかが重要でした。
実際に「狩野派」は、400年もの間、その技法が継承されました。
日本美術は、外来文化の影響を受けて進化し続けた
日本では、中国や朝鮮半島、西洋からもたらされた影響を受容しながら、時代ごとに様々な美術作品を生み出してきました。
シルクロードの終着点である日本に入ってきたのは、多様な文化を収斂した複雑なものでした。
写実ではない心象を描く
西洋絵画は、写実を描く歴史がありましたが、日本においては、見たものをいったん抽象化し、改めてキャンバスに構図を描く作品が多くあります。
自然との近さ
西洋絵画は、宗教画や歴史画が多く描かれ、自然を描く風景画は、格が低いものとされてきた。
しかし日本美術は、四季の自然をモチーフとして選んで絵を描いてきた歴史がある。
岩絵の具の使用
西洋絵画では油絵具を主に使っていましたが、日本においては、岩絵の具を使用してきました。
日本美術史
次に、日本美術史について見ていきましょう。
6世紀、日本に仏教が伝わると、日本美術はしばらく仏教美術を描いていました。
聖武天皇の時代には、国家をまとめるため、国を挙げて仏教が奨励されました。寺院や仏の教えを権威づける、煌びやかな荘厳美術が、この時代に始まりました。
ところが9世紀、日本は遣唐使を廃止するなど、中国と距離を置くようになります。
この時代に日本美術は、日本人好みの「和様」に洗練されていきました。
山や水、人物を題材とするようになっていきました。
絵巻物が盛んに作られるようになったのも、この時期からです。
これを、国風文化といいます。
平安時代末期から鎌倉時代にかけては、末法思想が広がったため、浄土信仰に基づいた絵画が盛んに描かれるようになりました。
武士が台頭した鎌倉時代になると、写実的な彫刻が彫られるようになりました。
室町時代、日本絵画の主流になったのは水墨画です。
「墨」という限られた色彩で表現する水墨画の特質は、禅宗の教えに基づいていると考えられています。
この時代には、中国の山水画に学びながら、晩年に日本風の水墨画を完成させた雪舟が活躍しました。
室町時代は、能や茶道、立花といった芸術が始まったことから、近世美術の萌芽として重視されています。
桃山時代は、激動の時を象徴するように、「破格の美」が特徴でした。
戦国時代には、武将の権威を誇示する城郭が建築されると共に、その城郭や寺院などの襖、屏風、壁などに、雄大な構図で豪華な絵画が数多く描かれるようになりました。
江戸時代、絵画は権力者のものだけではなくなり、市民階層も絵画制作に携わるようになりました。
17世紀、初期の浮世絵は単色刷りでした。その後、鮮やかな多色刷りに進化して、江戸に浮世絵文化が花開きました。
葛飾北斎や歌川広重による風景画は、「名所絵」と呼ばれました。
名所絵は、地方から来た人のための観光ガイドやお土産として人気を博しました。
執筆者:山本和華子
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