はいみなさんこんにちは。
今日は、ペルシャの歴史を紐解きながら、ペルシャ美術を見ていきましょう。
ペルシャとは、現在のイランを指します。
イラン高原には、BC6000年頃には麦を中心に農耕が始まっていました。
ペルシャの芸術の特徴は、何と言っても装飾への情熱です。
それは、BC4000年の彩文土器においてもすでに明らかとなっています。
古代ペルシャには、雨をもたらす天空への篤い信仰がありました。
また、金工技術の水準の高さも特徴として挙げられます。
これにより、黄金への飽くなき執着が想像できます。
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BC3000年頃、エラム人の国家が建設されました。
しかしエラム王国は、アッシリアの攻撃を受けて滅亡してしまいました。
BC2000年頃、中央アジアの遊牧民であるアーリア人が南下し、イラン高原やインドに住み着きました。
そこでアーリア人は、イラン人とインド人に分かれていきました。
その後、ペルシャ人により、アケメネス朝が建国されました。
さて。そのアケメネス朝の都は、ペルセポリスと呼ばれました。
ペルセポリスの春は、賑やかな朝貢行列から始まります。
このペルシャの王宮を目指して、インド人もサカ人も、アルメニア人もエラム人も、それぞれの民族衣装で身を包み、遠路をはるばる行列をなして朝貢にやってきました。
ペルセポリス王宮はBC6世紀、アケメネス朝のダレイオス大王によって着手されました。
大王は、古代ペルシャの新年(ノー・ルーズ)すなわち春分の日に、属州の代表者たちを集めて忠誠を誓わせる儀式のために、ペルセポリス王宮を造営したと言われています。
当時のペルセポリス王宮の建築は、富と材料と技術の結晶でした。
しかしそのアケメネス朝は、BC330年に、アレクサンドロスによって滅ぼされてしまいました。
AD226年、ササン朝ペルシャが興りました。ササン朝はゾロアスター教を国教としました。
ゆたかな鉱脈にめぐまれたイラン高原では、早くから金属加工の術に長じていましたが、
ササン朝ペルシャはその頂点を極めました。
ササン朝ペルシャの錦や絹の織物にみられる霊長文、連珠文などのモチーフもまた、
正倉院や法隆寺の遺品と繋がり、ササン朝ペルシャの文化と日本の関係の深さを伺わせます。
しかし651年、ササン朝は、イスラム勢力によって滅ぼされてしまいました。
その後1501年、サファヴィー朝が興りました。
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1598年、サファヴィー朝のアッバース1世はイスファハンを都としました。
この頃のイスファハンは「世界の半分」と言われるくらい、繁栄していました。
イスファハンを中心として栄えたサファヴィー朝は、ペルシャ美術史の中でも画期的な時代でした。
ササン朝時代から水準の高い作品を生み出してきた染織工芸も、この時期に最盛期を迎えました。
イスファハンのイマーム・モスクは、サファヴィー朝のアッバース大帝によって建設されました。
当時のイスファハンはまさに黄金時代にありました。
イスラム美術には性格の異なる2つの美術の流れが見られます。
一つは、イスラム教の教義に基づく宗教美術です。イスラム教には神の像をはじめ人物を描かないという掟があります。
したがって、その反動により、カリグラフィーや幾何学模様、唐草のアラベスクなど、抽象的な装飾が発展するのですね。
そしてもう一方は、当時の王侯貴族たちを後ろ盾にして発展した世俗美術です。華麗な絨毯やミニアチュール、イスラム陶器などの工芸品には、人物像や動物が頻繁に現れます。
執筆者:山本和華子
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