古代地中海世界とは一般に、ギリシャ人とローマ人によって形成されたと思われていますが、フェニキア人もその形成に大きな影響を与えました。
ギリシャ人は地中海の東側に、フェニキア人は西側に植民市を築きました。
フェニキア人は現在のレバノン付近から地中海を中心に、大西洋、インド洋、東南アジアへ進出した海洋民族でした。
紀元前12世紀頃、ヒッタイトとエジプト新王国の二大帝国が滅亡すると、その両国に支配されていたフェニキア人は、自立することができるようになりました。
アラム人やフェニキア人は、文字を発明・改良しました。
それは、交易のためだったと考えられています。
フェニキア人が築いた都市国家に、シドンやティルスなどがあります。
ティルスはイスラエル王国との交友関係があり、とくに、国王ソロモンの時代に大きく発展しました。
ユダヤの神ヤハウェのための神殿建設には良質な木材が必要であり、イスラエル王国はフェニキア人が所有していたレバノン杉を必要としました。
そのお返しとしてソロモン王は、ティルスに大量の小麦と良質のオリーブ油を送りました。

ティルスはいくつもの都市と交易をし、世界の多くの商品が集まる交易都市となりました。
ティルスの植民市のなかで、もっとも重要なのはカルタゴでした。
カルタゴは、地理的に地中海の交易網の中央部に位置しており、地中海交易の結節点として機能するようになりました。
紀元前4世紀にシドンやティルスがマケドニアのアレクサンドロス大王に征服されたとき、多数のフェニキア人がカルタゴに移住しました。
それが大きく影響して、カルタゴは商業国家として繁栄していきました。
執筆者:山本和華子
参考文献 玉木俊明著『商人の世界史』 河出書房新社
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