古今和歌集と新古今和歌集の違い 日本の古典文学・和歌の解説

目次

勅撰和歌集とは

古今和歌集新古今和歌集は、どちらも日本を代表する勅撰和歌集です。

勅撰和歌集とは、天皇などの命により編纂された歌集のことです。

それらに対して小倉百人一首は、藤原定家が個人的に選んだ私選和歌集と呼ばれます。

古今和歌集

古今和歌集は、平安時代前期、905年に成立しました。

醍醐天皇の勅命により、紀貫之の主導によって編纂されました。

なぜ古今和歌集が編纂されたのでしょうか。

それは、いくつか理由があります。

●和歌を国家文化として格上げするため

●日本独自の美意識を確立するため

●文化として体系化するため

などが挙げられます。

古今和歌集の作風の特徴に、優美、調和、自然な感情があります。

古今和歌集は、紀貫之、紀友則、凡河内躬恒、壬生忠岑、素性法師、在原業平、伊勢が中心人物です。

古今和歌集の和歌を一つ、紹介したいと思います。

見渡せば柳桜をこきまぜて 都ぞ春の錦なりける  素性法師

【現代訳】見渡すと、柳と桜がまぜこぜになって、都こそが春の錦そのものである。

素性法師は、平安前期の僧・歌人で、僧正遍照の息子として知られています。

三十六歌仙の一人で、「歌のサラブレッド」と現在では言われています。

新古今和歌集

新古今和歌集は、鎌倉時代初期、1205年に成立しました。

後鳥羽上皇の勅命により、藤原定家が主導となって編纂されました。

なぜ新古今和歌集が編纂されたのか。

●古今和歌集の伝統を受け継ぎつつ深化するため

●和歌をより高度な技術へ昇華するため

●武士の時代へ移ったということもあり、貴族文化の最後の輝きを残すため

などが理由として挙げられます。

新古今和歌集の作風の特徴に、幽玄、象徴、余韻、本歌取り、複雑で多層的な表現などがあります。

新古今和歌集は、藤原定家、藤原家隆、藤原良経、藤原俊成、西行、寂連、慈円、後鳥羽院などが中心人物です。

新古今和歌集の和歌を一つ、紹介したいと思います。

見渡せば 花も紅葉もなかりけり 浦の苫屋の秋の夕暮れ  藤原定家

【現代訳】 見渡すと、春の花も秋の紅葉もない。苫屋が立っている海辺の、秋の夕暮れに。

「花も紅葉もない浦の苫屋」という情景は、華やかな世界を彷彿とさせた上で、

その残像を残しつつ、それを打ち消しています。

一度華やかさをイメージしたあとの何もない情景は、より一層、その何もない寂しさと侘しさを感じさせます。

執筆者:山本和華子

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