日本では女性の人権が守られていない ~社会的地位・緊急避妊薬・中絶と男性のバイアグラ~

目次

世界と比較した中での日本の女性の認識

2021年に、世界経済フォーラムから報告された「ジェンダー・ギャップ指数」において、

日本のスコアは156カ国中120位でした。

日本の歴史の中では身分が重視されてきました。その身分の中で、男女の序列が生み出されてきました。

OECD国際教員指導環境調査によると、日本の学校において女性が校長・教頭クラスに

就いている率はわずか7%に留まっています。

日本は1985年に女性差別撤廃条約を締結しています。

しかし、改善が遅れていることに対し、国連から指摘を受けている状態です。

日本の独特な風習や生活文化

日本の家庭では、いまだにお金を稼いでくるのは男性で、女性は育児と家事を行うという

考え方が根付いています。

女性の場合、出産や育児といったライフイベントの影響を受けやすい現状があり、

就労経験が男性と比べて短くなりやすくなります。

日本では第2次世界大戦後、企業戦士として会社に人生を捧げるサラリーマンと専業主婦の組み合わせ

奨励され、今でも性別役割分業が強いです。

日本の経済成長が停滞する中、女性の活躍が不可欠だとして掲げられたのが「ウーマノミクス」ですが、

(ネーミングセンス イズ 何!?笑)

待機児童問題など未解決の課題は多いです。

女性議員(衆議院)も1割以下で193カ国中166位です。

今なお男性優位社会の政財界では女性蔑視発言が後を絶ちません。

東京五輪大会組織委員会の森喜朗前会長は、

「女性がたくさん入っている理事会の会議は時間がかかります」と失言しました。

日本では特に、目上の人に反対意見を言いづらい、という文化が根付いています。

声を上げることはわがままで、自分で努力せず、文句ばかり言う人という風に見られてしまいます。

日本人の人権意識

このように、日本では女性の人権が守られていません。

日本では人権が「思いやり」と同一視されています。

日本には人権を誤解しているどころか、積極的に否定してくる人さえいます。

人権とは本来、すべての人間が生まれながらに持っているものです。

日本人の「思いやり」は、上から目線の「施し」や「お恵み」になりがちです。

例えば、障害者に対して上から目線の優しいお恵みはするけど、

障害者の意見には耳を傾けようとしないなど。

もともと人権には、闘争的な側面があります。

たとえば人権が侵害されている場合は、権力と闘って獲得していくという側面がありますが、

これを日本人は嫌がります。

そうですよね、日本社会は「事なかれ主義」で、「臭い物にはフタをする」文化が根付いていますからね。

日本の道徳教育では、人との調和や、人に迷惑をかけないことを協調します。

そういう教育を受けているから、権利を主張することがネガティブに捉えられがちになります。

日本で女性の人権が守られていない具体例 その1 緊急避妊薬

日本においては、女性の人権は守られていません。

意図しない妊娠を防ぐ最後の砦とも言える「緊急避妊薬」は、

性交後72時間以内に服用すれば、約8割の確率で妊娠を避けることができます。

服用は早ければ早いほど効果が高いと言われています。

世界90カ国以上では処方箋がなくても緊急避妊薬が購入できますが、

日本では医療機関の受診が必要です。

2017年、厚生労働省は緊急避妊薬のOTC化(医師による処方箋がなくても、

薬局やドラッグストアで購入可能とすること)を検討しました。

しかし、それは見送りになってしまいました。

ちなみにこの緊急避妊薬のOTC化に関して、パブリックコメントでは348件中、

賛成が320件、反対は28件だったにも関わらず、です。

日本で女性の人権が守られていない具体例 その2 中絶

手術ではなく薬剤による医学的中絶は、フランスで1988年に合法化されました。

イギリスでは1991年、アメリカでは2000年に認可されました。

ジェンダー平等が進んでいない日本では、女性のリプロダクティブ・ヘルス(性と生殖に関する健康)に関する

医薬品の承認に、かなりの時間がかかってきた経緯があります、

日本では、避妊用ピルの認可には30年かかりましたが、男性用バイアグラはわずか半年で認可されました。

1948年に制定された「優生保護法」は、1996年に「母体保護法」と名称を変更しました。

「母体保護法」では今でも、中絶を望む女性は夫やパートナーから、書面で許可を得なくてはなりません。

要するに、日本国家では、女性は自分で自分の体の権利主体を持っていないのです。

日本において女性は、自分で自分の体のことを決めることが出来ないのです。

中絶に対する日本の考え方は、家父長制の長い歴史と、母性に対する伝統的な考え方に由来しています。

日本では、女性は国家の、もしくは男性社会の所有物でしかない、という本音が見えてきましたね。

日本での中絶薬の入手は、病院での入院が必要だとしています。

一方イギリスなど多くの国では、女性が自宅で中絶薬を自分で飲むことが合法となっています。

日本政府では、妊娠しない体を持つ男性の意見がベースとなって様々なことが決められているのが現状です。

これからの日本では性教育を充実させることにより、女性が避妊の主導権を握ることが重要です。

(当たり前のことじゃないか?と思ってしまうのは私だけでしょうか)

私の意見

最後に、私の意見というか考えについて述べていきます。

評論家である吉本隆明の『共同幻想論』の話にも通じますが、

「女は結婚して子どもを産むことで勝ち組になれる」とか、

「女の幸せは結婚して子どもを産み育てること」とか、

そういった型にはめるような幸福論は、男性側が巧妙に作り上げた幻想なのではないか、

と私は思いました。

自分の幸せの定義は自分で決めていいはずです。

また、女性の人権が守られていない現状は、日本における安楽死合法化の話が進まないという現状と、

根本は同じなのではないか、とも思えるようになってきました。

要するに、「自分の身体や存在が、自分のものではなく、国家に管理されているものでしかない」

という日本政府の本音があるのではないか。

現在の日本は、国際的に一応名目上先進国であり、貿易等、国際的に立場を認められ続ける必要があります。

したがって、国連や世界保健機関(WHO)に目を付けられないように、

建前上「女性活躍推進法」とか作ってみたものの、その後まったく実用的な機能はしていません。

日本政府の本音は、一貫して「女性に財産権や主導権を与えたくない」の一択なんでしょう。

そういう社会に生きる私は、今後、愛するパートナーと共に歩みたいと思う一方で、

やはり経済的自立を選択した方が予後が良いかもしれない、とも思っていて、迷い中です。

何の不安もなく、愛するパートナーと共に支え合い、信頼しあい、歩んでいける社会になったらいいのにな、

と思っています。

執筆者:山本和華子

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