山田かまちのこと
私が自分の死と今生きていることを意識し始めたきっかけは、
詩人である山田かまちの存在を知ってからだった。
当時私は小学6年生(5年生だったかもしれない)だった。
人が生きていることと時間が経過していくことは連動していて、
人はただ生きているのではなく、いかに濃密な時間を過ごしていくかが大切であること。
そして、人はいつか死ぬのであって、
自分が死んだとき、自分が生きていた証は何によって証明したいと思うか。
山田かまちは、詩だった。
今生きている私たちは、その詩によって、彼がかつてこの世に生きていたのだ、と知ることができる。
山田かまちはかつて、BOOWYというバンドのメンバーと共に音楽活動していた。
私が祇園でホステスをしていたときに音楽プロデューサーのお客様から、
布袋よりも、氷室京介の方が、山田かまちを失った喪失感をずっとひきずっていた、
というお話を聞いたことがある。
私はそのお席でずっと泣いてしまっていた。
人は、なぜ自分がこんなにも泣いてしまうのだろう、と思うほどに、涙が止まらないことがあると思う。
私はその日、初めてそのような体験をした。
どの感情が起因して涙が出るのかわからない、というようなこと。
私が作家活動を続ける理由
さて。
私は今、作家活動を続けている。
理由はたくさんある。
好きだからやってる。
自己表現としての生きざまそのものだからやってる。それはアイデンティティのようなもの。
印税をいただけるからやってる。
呼吸するようにやってる。
私は不器用で、本当に他はなんにもできなくて、言葉を綴ることしかできない。
私はこれしかできないのだ。
私にとって「言葉を綴る」というのは、呼吸をすること、生きることと同じことなのだ。
両親の愛
私はついぞ、父にも母にも愛されなかった。
父とはもう会えない。
母とは、会いにいこうと思えば会える。でも極力会おうと思わない。
私は他者と距離感を上手に保つことが苦手である。
「この人に愛されてみたい」と思う人が現れた途端、メンタルが崩壊する。
自分が、壊れてしまう。
いろんなことが、よくわからなくなる。
私は親から愛されたかったのだろうか。
今でもよくわからない。自分の心を無意識に抑圧しているのかもしれない。
どうなんだろう。
愛されたかったのかな。
よくわからない。
私の出生の理由も、わからない。
なんで母は私を産んだんだろう。
私が今生きている理由がそもそも、あんまりわからない。
余談、DJ社長のこと
余談だが、SNSで、ある人が
「DJ社長は今もYoutuberやってたら稼ぎ続けることができてたかもしれないのに、もったいない」
とポストしていたが、私は、「もったいない」とは思わない。
DJ社長はたしかご結婚なさって、
なんかどこかの国で好きなように気ままに生きていらっしゃるんでしたよね(間違っていたらすみません)。
自分のすべてに執着しないあの生きざま、いいと思う。
ただ、彼は幸せになって心満たされてしまったがゆえにYoutuberとしての活動は辞めてしまった。
表現と収益
私は、DJ社長よりは自分の作家としての作品を完成させて世に出す、という行動に執着心はあると思う。
いやでも、作家といっても本当に、色んな人がいる。
昨今、電子書籍が出て来て、
「ただ印税を稼げればなんでもいい」みたいなKinlde作家がペラッペラの電子書籍を出版するようなことなども実際に私はたくさんみてきました。
色んな人がいるのだなと思いました。
Youtubeのことは私ぜんぜんわからないけれど、
ただ収益を出せばどんなクソなクオリティの動画でもいいみたいな人もおそらくいるんでしょうね。
(DJ社長のことではありませんよ!)
表現の場が「収益の手段としての場」に成り下がった途端に、その土俵の価値が下がると私は思っています。
「本」という土俵の価値を下げるような作家に、私はならないようにしたい。
表現を続ける理由
こんなに母親に裏切られ続けた私でも、
最後?の望みとして、
自分の出版した本を親に読んでもらって褒められてみたいな、と思った。
でも、無理でしたw
実家に私が出版した本を送ったら、なんか母親から色々小言を言われた。
ウチは無理なんだな、って悟った。
母親にとっての「子ども」は、最初からずっと、兄だけだった。
なんか、親の愛を期待した私がバカだったわ。
いやでも、私は他者から承認されたくて作家活動やってんのか?
それもある。
でも、それ以前に、
呼吸と同じレベルで執筆してるんだと思う。
私の場合は。
私がいつか、
ゴールドマンサックスの男性に愛されて
(ゴールドマンサックスの男性というのはたとえ話です)
幸せな結婚をして、心が満たされて浄化されて幸せに包まれたとしても、
私は、執筆活動を続けると思う。
だってこれが私の生きざまだから。
執筆者:山本和華子



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