日本に住んでると、めったに「パーリ仏教」という言葉には出会わないですよね。
今日は、その「パーリ仏教」について解説していきたいと思います。
まず、日本のほとんどの仏教が採用しているのは、「大乗仏教」です。
禅宗も大乗仏教の一つです。
大乗仏教は、龍樹(ナーガールジュナ)という僧侶が体系的にまとめた仏教の教えの一つで、
「すべての人類を全員、救うんだ」という立場を取ります。
そういうわけで、パーリ仏教(上座部仏教)は、「僧侶しか救わない」という解説をしていることがほとんどです。
しかし、私はパーリ仏典マニアですので(笑)、別の解釈を持ってこようと思います。
パーリ仏教は、「釈迦が説いた、とてもシンプルな初期仏教の形」だと捉えています。
ゆえに、誰を救うか救わないか、という救う対象のお話はそもそもしていない。
大乗仏教というのは、後年、さまざまな僧侶によって「仏教」という教えを進化、発展させたものだと私は解釈しており、どっちの方がレベルが高いかどうかというような議論は、私は参加しません。

ちなみにパーリ仏典であるスッタニパータとダンマパダは以下のリンクから読めます。


では、パーリ仏教はどんな内容だったのでしょうか。
とてもシンプルです。
「涅槃して解脱しましょう」。たったこれだけです(諸説あります)。
私たちアジアの世界観を共有する人は、「輪廻転生」という世界観を共有しているかと思います。
死んだら生まれ変わる。
死ぬことと涅槃はイコールではありません。
死ぬことは、次の輪廻の始まりです。死→輪廻→生→死→輪廻・・・という永遠の輪の中にいる。
涅槃というのは、次の輪廻はなく、生まれ変わりません。
輪廻の輪から飛び出て、「無」の境地である解脱に至るのです。
そうそう、マンガの「デスノート」に、「次、生まれ変わることもできない無に至ることは、不幸である」と描写してありましたが、あれは非常に不思議な描写ですね。
少なくとも釈迦は、「次、生まれ変わることが幸せ」だとは思っていません。
執筆者:山本和華子
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