イギリスで起こった資本主義は、もともとはほとんど資本の無いところから生まれました。
イギリスにおける工業化の始まりは慎ましいもので、
織機や紡ぎ車を少しでも改良していこうという工夫を重ねてきた、
普通の職人たちによって始められました。
当時、ヨーロッパの制度だった封建制度を、かなり早くに乗り越えていたイギリスは、
農業にその資本主義的な考え方を取り入れることで、収穫増につなげていました。

当時、ヨーロッパ諸国では、公爵や貴族が、市民のような生き方や考え方、振る舞いをするのはけしからん、
というような、暗黙のルールがありました。
由緒ある貴族たる者が、市民のするような労働をするべきではないという文化が根付いていました。
しかしイギリスでは、貴族も市民(実業家)のような考え方を持ち、投資活動をしていました。
イギリスではなぜそれが可能だったかと言いますと、イギリスでは長子相続権が存在していたからです。
長子相続権とは、一番上の長男(嫡男)だけが貴族の称号と財産を相続し、
他の子どもたちは全員、市民とみなされ、事業家になったり軍隊に入ったりする必要があった制度です。
これは、日本の家父長制度の特徴にもよく似ていますね。
つまり、イギリスでは、貴族と平民の間は流動的でした。
これが、イギリスで資本主義が起こった由縁でした。
執筆者:山本和華子
参考文献 ウルリケ・ヘルマン著『資本の世界史』 太田出版


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