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ブラジルの政治・経済・歴史をわかりやすく解説

目次

ブラジルの歴史

ブラジルは、1500年頃、インドを目指していたポルトガル船団によって発見されました。

この時期のヨーロッパは大航海時代。香辛料、織物、金などを求めて、主にスペイン、ポルトガルの2国が海外に進出していました。

ブラジル大陸を発見した当時、ブラジルには多くの先住民がいました。

先住民は、外部から来た外国人と徐々に打ち解け、友好的な態度を示すようになっていきます。

しかし、のちにヨーロッパ人は先住民に奴隷として働かせ、さらにヨーロッパ人がもたらした感染病により、免疫のなかった先住民の大量死を招いて人口が激減してしまいました。

1532年、入植者たちは、サンパウロに近いブラジル南東部に開拓地を作り、サトウキビ栽培を始めます。

1560年頃からヨーロッパでは砂糖の需要が増加しました。砂糖産業はブラジルの主力産業となり、ブラジル経済を支えました。

そして、広い土地を所有する砂糖農園主たちは社会的・政治的権力を強めていきました。

このヨーロッパ市場のブラジル砂糖産業の独占は、17世紀半ばまで続きます。

砂糖は生産から製糖するまでたくさんの労働力を要しました。

はじめは先住民(インディオ)を労働力として依存していたが、1570年に「インディオ奴隷禁止令」が出されると、砂糖生産者は労働力確保のため、黒人奴隷に依存することとなりました。

1808年、ナポレオンがポルトガルのリスボンを占領すると、ポルトガルの王室はブラジルへ逃れます。

ブラジルの首都リオデジャネイロは、王室が来たことで整備され、国家機関が生まれ、近代化していきました。

ナポレオンが敗北しても、ポルトガルの王室はブラジルにとどまりました。

1821年、王室のドン・ペドロに、ポルトガルへ帰還命令が出されました。しかし、ペドロはこれを拒否し、1822年、新しい国家「ブラジル帝国」を誕生させました。ペドロはブラジル皇帝ペドロ1世として即位しました。

その後ブラジル帝国は、1889年まで続きました。

19、20世紀にブラジルを支えていたのはコーヒー産業でした。コーヒーは1830年に砂糖産業を抜き、ブラジルの主力産業となりました。

1850年にイギリスの圧力から奴隷貿易が禁止され、貿易賃金は鉄道建設、銀行、製造業に投資されました。

ブラジルの産業・経済

2005年のブラジル農作物輸出量は世界第五位となっているほど、ブラジルでは農業が盛んです。特にサトウキビは世界市場の約二十%を占めており、世界第一位の生産量を誇ります。大豆と牛肉は世界第二位、そして鶏肉は世界第三位の生産を誇ります。

ブラジルは鉱産資源に恵まれた国です。ブラジルは鉄鉱石やボーキサイトを多く輸出しています。

ブラジル鉱工業は、自動車、航空機、鉄鋼、石油化学、コンピュータなどの分野でブラジル産業を支えています。

ブラジルは包蔵水も豊富で、発電量のおよそ三分の二は水力発電です。

ブラジルには航空機製造企業(エンブラエル社)があります。エンブラエル社では、小型旅客機製造に力を入れています。

この分野ではカナダのボンバルディア社と世界シェアを二分しています。

エネルギー資源に関しては、一九七〇年以降、リオデジャネイロ沖の大陸棚で海底油田の開発が進むようになりました。

ブラジルの政治

ブラジルでは大統領制をとっている連邦共和制国家で、首相はいません。

ブラジルでは1990年まで経済が深刻な状態にありました。

1964年、軍部によるクーデターが起こり、ブラジルでは軍事政権が始まりました。

軍事政権下のブラジルでは、大統領に権限が集中し、個人の権利を制限する非民主的な政治が行われていました。

このような中、1985年に、野党のタンクレード・ネーヴェスが大統領に選ばれ、軍事政権が終わります。

しかし、タンクレード・ネーヴェスは大統領就任前夜に倒れてしまったので、執務は副大統領が代行することになりました。

1988年に公布された新憲法は、民主的で個人の権利を重視する内容となりました。

執筆者:山本和華子

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