昔は助成金チューチュー芸人になって遊んで暮らしたいと思っていた

20代の頃の私は、助成金チューチュー芸人になって遊んで暮らせたらいーなーぐらいに思っていた。

でも最近は、考え方が変わってきた。




私はパチンコのようなギャンブルを一度もしたことないし、タバコも吸ったことがない。

ギャンブルをしている人やタバコを吸っている人をカッコイイと思ったことがないというのもあるし、

それらに価値を見出さなかったというのもある。

さらに言えば、ギャンブルを一度ハマれば、私はそこから抜け出せなくなるんだろうなというのも目に見えていたし、

タバコも一度吸ってしまえば、私はものすごいヘビースモーカーになるんだろうなというのもなんとなく分かっていた。

なんだろう、自分にはものすごく、「心の穴」みたいなものがあるとは以前から思っていた。

だからこそ、中途半端にそういう類のものには近づかない方がいいというのは肌感覚で分かっていた。



そういう感じで、最近は、助成金みたいな甘い誘惑には、私の場合は近づかない方がいいんだろうなみたいなことが分かってきた。

一度助成金を得て旨い経験をしてしまうと、それ以降はズブズブになるというか、

際限の無い欲望に呑まれてしまうというか、

自分の良心・誠実性・理性を保てなくなるんだろうなというのが分かる。

だから私の場合は、そのような甘い誘惑には乗らないで、

自分を律し続けた方が、長い目で見て、実りのある豊かな人生になるのかなと思う。

それに、「助成金を引っ張ってくるのが得意なんだよね」って言うような経営者、

私の目にはかっこよく映らないなと思った。

経営者として、もちろん利益を出していくことが大切ではあるけれど、

「生き方がカッコイイ」とか、「ビジネススタンスがカッコイイ」とか、

そういう感覚的なセンスも、結構大事なんじゃないかと最近は思っている。

これはたぶん、「自分の欲望と程よく付き合う」ということにも繋がるんだろうと思う。

私はかつて、キラキラ留学とかキラキラ履歴書とか、大金をはたくことで自己価値を創出しようと思っていた。

でも最近は、自分がこれまで経験してきた苦しみとか、何を経験して、そこから何を考えたか、何を感じたか、思ったか、何を学んだか、そういうものの方が結果的に、自分だけの価値とか、誰にも奪えないものとか、そういうものに繋がっていくのかなと考えている。

それが、自分の生きていくための、代替不可能な切り札となっていく。





また、会社経営にも繋がる話である。

私はこれまで、たくさんの起業家や経営者の自叙伝を読んできたが、

彼らの多くは、「0円で出来ることなんて山ほどある。今すぐにできることは山ほどある。

資源の無い環境の中で、試行錯誤して考えて、工夫して経営を続けていく先に、人生が拓かれていく」

と言っていた。

私も作家活動を実際に続けていく中で、それはすごく感じている。

お金が無いなら無いなりに、自分にできることを工夫して続けていく。

最初から何でもかんでも助成金のようなお金をあてにして、

会社経営しようという魂胆でマネジメントしたところで、本当の意味で自分の実力にはつながらない。

執筆者:山本和華子


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