目次
日本神道と磐座
日本古来の信仰として人々は、巨石・奇石を磐座(いわくら)、また一定の形状に連なっている石組群を磐境(いわさか)と呼び、畏敬してきました。
これらは庭園とは呼びませんが、人々は巨石の持つ永遠性に神秘を感じ、崇拝してきました。
一方、日本庭園は、「自然石を組み合わせた空間構成」に美を見出しました。
好みの形を作り出すのではなく、自然石を組み合わせて再構成した空間に価値を見出しました。
道教思想と鶴島・亀島
飛鳥時代になると中国・韓国から神仙蓬莱思想が伝えられました。
この思想は不老不死への思いが込められており、秦の始皇帝から始まり、漢の武帝など古代中国の権力者がこの思想に熱狂しました。
そして、日本にもすぐに取り入れられました。
蓬莱神仙の世界で象徴的となるのが、鶴と亀です。
それらを石組で表現したのが鶴島石組と亀島石組です。
鶴と亀は、長寿の象徴です。
仏教を象徴する石組造形
仏教は、日本庭園のテーマとして最も多く採用されました。
須弥山(しゅみせん)は仏教思想によるもので、世界の中心となる山です。
仏教の思想では「九山八海(くせんはっかい)」と言い、須弥山が9つの山と8つの海から成り立っています。
須弥山石組でも九山八海を表現するのが一般的です。
また、三尊石組というものもあります。
三尊石組とは、仏教の三尊仏のように組む石組のことです。
中央に大きな中尊石(ちゅうそんせき)、左右に脇侍石(きょうじせき)を据えて構成します。
執筆者:山本和華子
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