はいみなさんこんにちは。今日は、寝殿造、書院造、数寄屋造の違いについてみていきましょう。
寝殿造
寝殿造は、主に平安時代の貴族といった上流階級の人たちの間で流行した、自然との調和を重視した建築スタイルです。
寝殿造の代表的な建物は、平等院鳳凰堂です。
寝殿造は簡単に言えば、とても開放的な造りとなっています。
寝殿造は、20~30名の貴族が一つの建物に居住していたと言われています。
寝殿造の間取りは壁がないので、隙間風が入り、冬はとても寒いです。
天井も吹き抜け構造で、部屋も大きいため、火を焚いても部屋が温まらないという難点を抱えています。
これは、貴族たちが事あるごとに宴を開いたり、儀式を行っていたために、広い造りとなっていたそうです。
また、寝殿造は板の間であることが基本的構造としてあります。
畳はというと、単体で敷かれる程度でした。
寝殿造には、貴族の遊び場である庭や池が間取りに組み込まれています。
庭では、蹴鞠などをして遊んだりしていました。
寝殿造は貴族のみで隆盛した建築様式のため、外装、内装含め、豪華絢爛で上品であることも特徴です。
書院造
次に、書院造についてみていきましょう。
書院造は、複数の部屋が一つの建物につくられるようになります。
そして、部屋どうしは廊下で繋がります。
一部屋が小さく、床の間や台所が出来たりと、日常生活として間取りが変化します。
また、寝殿造とは違い、部屋には壁が現れます。
そして、障子(しょうじ)や襖などで、一部屋がしっかり区切られるように変化していきました。
建物に天井が張られたのも、書院造からです。
床素材は、板張りから畳張りの部屋へと変化します。
部屋全体に畳が敷かれるようになったのも、書院造からと言われています。
書院造にも庭園がありますが、寝殿造のように遊び場というわけではありません。
枯山水という、水のない庭を造っているのが書院造の特徴です。
この庭園は、遊ぶという名目でなく、鑑賞を名目としています。
数寄屋造
数寄屋造では、書院造りの格式や様式を極力排して作られていることが特徴です。
虚飾をせず、内面を磨いて客人をもてなすという、茶人の精神性を表した造りとなっています。
つまり、書院造りを基本としつつも、風流でありつつ繊細、質素かつ洗練された意匠が特徴です。
庭の四季によって季節を感じさせたり、周囲の景色を活かした借景を楽しむ間取りとなっていることも特徴のひとつです。
数寄屋造の特徴のひとつは、自然との調和を図るための自然を素材とした多様な建材を使用していることです。
壁は白壁ではなく土壁で、左官技術が大いに活かされています。
執筆者:山本和華子
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