国宝の書道作品にはどんなものがある? ~圜悟克勤、密庵咸傑、虚堂智愚、了庵清欲~ ~日本文化紹介シリーズ~

はいみなさんこんにちは。

今日は、国宝の書道作品について書いていこうと思います。

目次

圜悟克勤(えんごこくぐん) 印可状(流れ圜悟) 国宝

印可とは、僧侶が、弟子が悟りを得たことを証明認可することです。

圜悟克勤とは、宋(中国)の禅僧です。幼少にして出家し、はじめは経論を学んでいましたが、あきたらず、惟勝(いしょう)というお坊さんに参禅し、修行しました。

この印可状は、北宋時代(12世紀)のものです。

彼の墨跡は、桃山時代に、茶会記の記録に何度も登場していました。

墨跡とは、禅僧が書いた書道作品のことです。

密庵咸傑(みったんかんけつ) 法語 国宝

密庵咸傑は、南宋の禅僧です。霊隠寺などの諸大寺に住し、晩年、四明天竜山に隠退しました。

この法語は、南宋時代(12世紀)、70歳を超えた密庵が、人に頼まれて絹本(けんぽん)に書いた法語です。

この法語は、現存する唯一の密庵墨跡です。

虚堂智愚(きどうちぐ) 法語(破れ虚堂) 国宝

虚堂智愚は、南宋の禅僧です。天寧寺の運庵普厳の座下において大悟し、その法門を継ぎました。

虚堂智愚の墨跡は、茶会記への登場回数が60回以上と多いです。

彼の墨跡の中で最もよく知られた作品が、この破れ虚堂です。

寛永14年、使用人のひとりが何らかのうらみ事があって蔵に閉じこもり、中のものを壊してしまいました。そのなかに虚堂智愚の墨跡があり、破れが生じたため、「破れ虚堂」の名前がつきました。

了庵清欲(りょうあんせいよく) 進道語(しんどうご) 国宝

了庵清欲は、元代の禅僧です。墨跡は趙 孟頫(ちょうもうふ)という書家の書法を受け継ぎ、端正な書風を特色とします。

進道語とは、師から弟子に、禅の大事な部分を説いて修行の助けとしたものです。

この進道語は、日本の禅僧、的蔵主(てきぞうす)に与えられたもので、了庵清欲が54歳のときの筆跡です。

執筆者:山本和華子

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