はいみなさんこんにちは。
今日は、あの李白も尊敬していたという、謝霊運という詩人についてご紹介したいと思います。
謝霊運は、中国の南朝時代の詩人です。385年から433年に生きました。
南朝の時代は、「六朝文化」といって、老荘思想が盛んな貴族の文化が栄えました。この時代は、詩や書、絵画や仏教美術などが興隆しました。
謝霊運は、裕福な豪族の子として生まれました。しかし官途においては挫折していまいました。
その後、美しい故郷の自然の中での生活の中で、詩を書いて暮らしました。
一つの文学作品が生まれるには、さまざまな背景があると言われます。
文学とは、作者の心の壁を極限まで表現しようとすることです。
これが特に強く意識されたのが、六朝の時代でした。
謝霊運が得意としたのは、美学的価値に優れた山水詩の創作でした。
さらに、謝霊運の詩には、老荘思想と仏教の教えが引き継がれています。
謝霊運の詩の一つ、「過白岸亭」には、「空翠難強名」という言葉があります。
これは、空や山が絶佳であることが言葉では表現できないという意味です。
また、「漁釣易為曲」という言葉もあるのですが、この意味は、隠遁者として暮らすことにより、身を全うすることができる、という意味です。
この「空翠難強名」と「漁釣易為曲」には、老子の考え方が参考にされています。
このように、老子のみならず、謝霊運の詩には荘子や仏教の教えも参考にして、作られました。
投稿者:山本和華子
参考文献 清宮剛「謝霊運の山水詩の特質」
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