ジョージ・ソロスは、1930年生まれの、ハンガリーブダペスト出身の投資家・実業家・慈善家です。
ウォーレン・バフェット、ジム・ロジャーズとともに世界三大投資家として知られています。
今回は、ジョージ・ソロスの生きる信念と投資哲学について見ていきましょう。
ジョージ・ソロスの半生
ジョージ・ソロスは1930年、ハンガリーのブダペストに生まれます。
第二次世界大戦中、ナチスによるユダヤ人迫害を生き延びるため、家族で偽名を使い隠れて生活しました。
この戦争体験が、彼の人生観に大きな影響を与えます。
戦後はロンドンに移住し、哲学者カール・ポパーのもとで哲学を学び、「開かれた社会」の理念を学びます。
1956年にアメリカに移住し、金融業界でキャリアをスタートさせます。
複数の証券会社で働いた後、1970年に「ソロス・ファンド・マネジメント」を設立しました。
1992年のポンド危機では、ポンドの空売りで約10億ドルもの利益を得ました。
1984年にオープン・ソサイエティ財団(OSF)を設立し、民主主義、自由、法の支配を推進する活動を支援しました。
旧東欧諸国での民主化支援や、教育・人権活動に多額の資金を投入しました。
ジョージ・ソロスの人生は、逆境を乗り越え、自らの理念を実現しようとする姿勢に特徴付けられています。
ジョージ・ソロスの生きる信念
1、「開かれた社会」の追求
「開かれた社会」とは、個人の自由が守られ、批判や多様性が許容される社会のことです。
2、誤謬性の受容
ソロスは、人間が完全な知識を持つことは不可能だと考えています。
この考えに基づき、すべての意思決定は不完全であり、誤りを修正する余地が常に必要だと信じています。
3、社会的責任の重視
莫大な富を築いたソロスは、それを単なる個人の利益ではなく、社会全体の利益に活用すべきだと考えています。
この信念に基づき、民主化支援や教育、貧困削減など、多岐にわたる分野での慈善活動をおこなっています。
4、権威主義や独裁への反対
ナチス占領下での幼少期の経験から、権威主義的な体制や抑圧に対する強い反感を抱いています。
ジョージ・ソロスの投資哲学
●人々の思考や行動が市場に影響を与え、またその市場の動きが人々の認識や行動に再び影響を与えるという反射理論(リフレクティビティ)
●世界の経済動向や政治的な変動に注目し、大規模なマクロ経済的な投資を行う。通貨や金利、政治情勢などを分析し、それに基づいて投資を行う
●成功するためには資金を一カ所に集中して投資することが重要
●投資をおこなうタイミングを非常に重要視する。市場の動きに素早く反応し、変化を見逃さないようにしている
●市場の非効率性を利用する。市場で誤った価格設定がおこなわれている場合には、大きな利益を得るチャンスと捉える
ソロスは、市場の歪みが大きくなる局面において、短期的に投資をおこなうことが特徴的です。
執筆者:山本和華子
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