ブラームスの作品、「交響曲第1番」と「ヴァイオリン・ソナタ」の特徴と魅力の解説

はいみなさんこんにちは。

今日は、ブラームスの交響曲第1番とヴァイオリン・ソナタの特徴と魅力についてお伝えしたいと思います。

ブラームスは、ドイツ出身のロマン派の作曲家です。

ブラームスの作品の特徴は、頑固なまでに伝統と格式を重んじ、自らのスタイルを貫き通しているところと言えるでしょう。

ブラームスは1833年、ドイツのハンブルクの、貧しい家に生まれます。

ブラームスは育っていく中で音楽の才能を開花されていきますが、一家の家計を支えるために、ダンスホールのある酒場の演奏家として働いていました。

ブラームスは14歳のとき、ヴァイオリニストのヨーゼフ・ヨアヒムによるベートーヴェンのヴァイオリン協奏曲を聴き、感銘を受けました。

それからブラームスは、ベートーヴェンを研究するようになりました。

その後ブラームスが19歳のとき、ヨーゼフ・ヨアヒムと、音楽仲間として出会うこととなります。

二人は互いを認め合い、高め合う関係となりました。

あるときブラームスは、ヨアヒムからシューマンに会うように勧められます。

シューマンは当時、音楽評論家として大変有名でした。

そしてブラームスは、シューマンの前で自身の作品であるピアノ・ソナタ第1番を弾きました。

ブラームスの演奏に感動したシューマンは、ブラームスを大絶賛しました。

シューマンはブラームスを、ベートーヴェンの偉業を引き継ぐ運命にある若者である、と音楽雑誌で絶賛しました。

そしてブラームスは、絶大な期待と従圧を受けて、デビューすることになったのです。

目次

交響曲第1番

交響曲第1番の序盤はティンパニを中心に、コントラファゴット、コントラバスという低音楽器が、何度も同じパターンを繰り返します(これをオスティナートと呼びます)。

冒頭では、苦悶の音色が浮かび上がります。作曲するのに苦労したことがうかがえます。

その上に、ヴァイオリンとチェロが、低音から高音に向かって旋律を奏でます。

そのあと、オーボエの印象的で哀愁ただようソロが演奏されます。

第1楽章は、重厚かつ息をつく間も無いほど激しく闘争的です。

第2楽章は、ヴァイオリン・ソロが加わるときに微妙な変化を伴って薄明の美しさを醸し出しています。

第3楽章は、クラリネットの軽快な演奏で始まります。

また、「タララー」という動機が何度も繰り返される部分も印象的です。

この「タララー」という音の型は、運命と死という意味合いが含まれているそうです。

第4楽章は、独特のリズムでピチカート(弦をはじく)が奏でられます。

そのあと、かの有名なホルンのソロが演奏されます。

ヴァイオリン・ソナタ

ヴァイオリン・ソナタは、第3番まであります。

第1番の第1楽章は、避暑地ペルチャハで作曲されました。

軽やかで抒情的な雰囲気が描写されます。

第2楽章は、叙情と哀愁が入り混じります。

民謡風の旋律がピアノで奏でられ、ヴァイオリンが加わってさらに哀愁が奏でられます。

第1番の第1楽章は幸福に満ち溢れますが、第3楽章では陰りが表現されます。

これは、ブラームスの、クララに対する思いと、その思いが果たされない悲しみ(クララはシューマンの奥さんであるため)を表現していると言われています。

また、このソナタは、クララへのラヴレターだったとも伝えられています。

第2番は、優美な作品です。楽譜に「愛らしく」と表記されており(アレグロ・アマービレ)、叙情的で至福感にあふれた楽章です。

第3番は、はじめはヴァイオリンがロマンチックなメロディを奏でます。そののちに、ピアノが基本的なリズム進行から離れた独特なリズム(シンコペーション)を奏でます。

第3番が作曲されている途中、友人の死などにより人間の宿命である死というものを見つめなければならなくなったブラームスの人生観が投影されていると言われています。

執筆者:山本和華子


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