ゾロアスター教
紀元前1000年、古代のペルシャに、ゾロアスター教が生まれます。
ペルシャの地に移住したアーリア人の信仰を基本としてゾロアスター教は生まれました。
そしてササン朝ペルシャの時代に、ゾロアスター教は国教となりました。
ゾロアスター教の最高神はアフラ・マズダです。
ゾロアスター教では宇宙の始まりから終わりまでを1万2000年と数えます。
1万2000年後の末、世界の終末にアフラ・マズダが行う最後の審判によって、生者も死者も含めて全人類の善悪が選別されます。
そして善人は永遠の生命を授けられ、天国に行ける日が来るとゾロアスターは説きました。
ユダヤ教
ユダヤ人の歴史的故郷は、中東のパレスチナです。
古代中東にはアッシリア、バビロニアといった大国があり、
また隣のアフリカ大陸にはエジプトがありました。
しかしそのいずれにも属さない少数集団がユダヤ人でした。
ユダヤ教徒は、祖先から受け継いださまざまな規則を真面目に守っていくことを重視していました。
仏教
紀元前1500年頃、アーリア人がインド西北部へ移動しました。
さらに紀元前6世紀頃になると１６大国の時代を形成しました。
この時代にブッダは、シャカ族の王族の子どもとして生まれました。
当時のインドの宗教は、アーリア人の宗教であるバラモン教が中心でした。
このバラモン教が、カースト制を作りました。
そんな中で、バラモンの権威と権力に対して疑問を持つ人物が現れるようになりました。
ブッダはその一人でした。
仏教の教義の根本にあるのは、輪廻転生からの解脱でした。
当時、輪廻転生の教えがカースト制を支えていました。
キリスト教
西アジアや北アフリカなどで使用される言語に、セム語族の言語があります。
セム語族から生まれた一神教が、セム的一神教で、その神の名は、YHWH（ヤハウェ）と呼ばれます。
YHWHはセム語族が信仰する唯一の天地創造の万能神です。
YHWHは、ユダヤ教とキリスト教とイスラム教の神です。
キリスト教では、イエス・キリスト以前の預言者と神との契約を旧約と呼び、
イエスが語った言葉や行った奇跡について、弟子たちが書き残したものを新約と呼んでいます。
イエスは、社会的に差別されている者たちの救済に積極的に努めていました。
ユダヤ教徒は神の戒律を守ることを大切にしています。
儀式やタブーを忠実に守ることに専念できるのは、ゆとりのある階級の人間に限られます。
規則遵守に熱心な者たちは、無学で生活に追われている貧困層を罰当たりな人間として差別していました。
イエスはそうしたタブーを、公然と無視して治療行為を行いました。
イスラム教
イスラム教はYHWH（ヤハウェ）を唯一神とするセム的一神教です。
そしてYHWHをアッラー（アッラーフ）と呼びます。
イスラム教におけるムハンマドの立場は、最後の預言者です。
預言者とは、神から言葉を託されて、それを預かって人々に伝える者を指します。
ムハンマドは40歳になる頃から、孤独な瞑想を始めます。
メッカ均衡の山で、禁欲しながら瞑想していました。
そしてある日、洞穴瞑想しているときに、突如、大天使ガブリエルが現れて、神の言葉を声に出して読めと命じられました。
このときを皮切りに、神はムハンマドに続々と言葉を授け、その総体がクルアーン（コーラン）となりました。
執筆者：山本和華子
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