ビジネスで使える!「孫子の兵法」の特徴と名言を見てみよう

『孫子』とは、古代中国の春秋戦国時代に書かれたとされ、歴史上最古と考えられる兵法書です。
『孫子』は、「なぜ勝つか」「なぜ負けるか」を詳細に分析していることが特徴として挙げられます。

『孫子』の思想の根本にあるのは、「状況を正しく把握せよ」ということです。敵のこと、味方のこと、地形のこと、天候のこと、補給のこと・・・。

また、『孫子』は合理的で冷静な指揮を要求していたそうです。一時の感情で戦争を起こすのはもってのほかで、戦争をしないで済むのならそれに越したことはない、という考え方があったそうです。

上善(じょうぜん)は水の如(ごと)し。水は善く万物を利して争わず、衆人の悪(にく)む所に居(お)る。故に道に幾(ちか)し。

最も理想の生き方は、水のようなものである。水は万物に恩恵を与えながら相手に逆らわず、人の嫌がる低いところへと流れていく。だから道のあり方に近い。

この言葉は、ブルース・リーの「Be water.」という言葉に近いですね。

また、こんな言葉もあります。

つまだつ者は立たず、自ら是とする者は章(あらわ)れず。自ら見(あらわ)す者は明らかならず。自らこほる者は功なし。自らほこる者は長からず。その道に在るや、余食贅行(よしぜいこう)と曰(い)う。物これを悪(にく)むあり。故に有道の者は居らず。

背伸びしてつま先で立とうとすれば、かえって足元が定まらない。自分を是とすれば、かえって無視される。自分を誇示すれば、かえって排斥される。自分の功績を誇れば、かえって非難にさらされる。自分の才能を鼻にかければ、かえって足を引っ張られる。こんな生き方は、道からすれば、すべて余計なことだ。一般の人さえ見向きもしないのだから、まして道を体得した人物とは関係ない。

身に染みる言葉です。

さぁみなさんも、声に出して読んでみましょう。

『孫子』は戦争において、「敵にわかるような形を示せ」「敵がほしがるような利益を見せてやれ」と教えてます。そうすれば敵はこちらの思うとおりに動くから、相手の弱点を攻撃しやすくなるのです。

これは「利益を得られる」という敵にとっての長所をひっくり返すと同時に、「弱点をさらしている」という味方の短所をひっくり返してしまう作戦なのだそうです。

また、『孫子』が繰り返して強調することの一つに、戦いの主導権を握ること、敵を自分の思うとおりに動かす、ということがあります。

では、どうすれば相手を自分の思う通りに動かせるのでしょうか。

それは、敵が有利な条件(戦力、補給、休息など)を持っているのであれば、それが使えないようにさせる、相手の欲しがっている利益を見せて誘導する、先回りをする、不意をつく、などをすれば、相手を思う通りに動かせる、と説いています。

さらに、自分の情報を隠す、ということも説いています。どこから攻めてくるのかがわからなければ、向こうはどこを守っていいのかわからなくなる、ということです。
指揮官が知っておくべきことは、戦いがいつ、どこで起きるのか、という情報です。それを把握できれば、主導権を持って敵と戦えます。

周辺の諸勢力が何を考えているのかを知ること、進行ルートの地理を知ること、土着の案内人を探すことの三つが、軍の移動を円滑にするための具体的な注意事項である、と『孫子』では説いています。

また、賢い指揮官とは常に物事の「利」と「害」の両方を考えに入れ、どちらかに偏ることがない人物だとも説いています。例えば、「敵が来ないかもしれない」というよい面と、「敵が来るかもしれない」という悪い面の両方を常に考えに入れて、どのような状況でも万全の対応が出来るように備える、ということがあります。

そして、無駄な戦いをしてはいけないと説いています。苦労して得た結果を国に還元することも考えたうえで戦わなくてはなりません。

以上が、『孫子』のおおまかなご紹介です。ビジネスに応用できることも多いと思います。ぜひ明日から使ってみましょう!

執筆者:山本和華子

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