アメリカ合衆国の歴史・政治・経済をわかりやすく解説 ~ピューリタン革命から大統領制まで~

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アメリカの歴史

現在のアメリカは、1492年にコロンブスがアメリカ大陸を発見してから始まります。

イギリスからアメリカへ渡ってきたのは2種類の人々です。

第一のグループは、ピューリタン(清教徒)、宗教改革の中から生まれたキリスト教の原理主義者です。贅沢を禁じ、勤労と祈りに喜びを見出す人々。

第二のグループは、土地を求めて渡ってきた貧しい農民たちです。政府からの保護をあてにせず、丸太小屋を自分で建て、銃を離さず、家族の命も自分で守る人々。

その後、スペイン、フランスなどの国々が競うようにアメリカを開拓していきます。

アメリカの植民地支配はイギリスとフランスが中心で、18世紀になると対立が激化し、戦争を起こします(フレンチ・インディアン戦争)。結果、イギリスが勝利し、アメリカ東海岸はほとんどイギリスの植民地となりました。

その後、イギリスとアメリカの対立が表面化します。イギリスは植民地の住人に重い税金を課しており、アメリカの人々はイギリスに対し不満を持つようになります。

そして、1775年にアメリカ独立戦争が起きました。

1776年、アメリカの13の植民地はイギリスからの独立を宣言し(アメリカ独立宣言)、現在のアメリカ合衆国が生まれました。

アメリカの西部開拓は住人の前向きな精神を作るとともに、金の発見をもたらしました。

カリフォルニアで金脈が見つかると、多くの人々がカリフォルニアへ移動しました(ゴールド・ラッシュ)。

西部開拓(フロンティア)が進む一方、アメリカは北部と南部で産業の分化が進んでいました。

北部は工業、南部は農業が中心で、南部は黒人の奴隷を労働力としていました。

北部と南部の対立は、フロンティアで獲得する西部の土地の奪い合いにつなり、互いの溝は深まっていきます。

1860年の大統領選挙でリンカーンが勝利すると、南部は北部から独立し、アメリカ連合国を宣言しました。

リンカーンは北部の代表として、南部の奴隷の開放を訴えます。

1861年には南北戦争に発展し、最終的には北部の勝利に終わりました。

アメリカの産業・経済

製造業とサービス業の割合は、増加傾向にあります。

GDPは世界第1位です。

アメリカ経済の強みは、何といっても米ドル。世界の貨幣の中でも中心的な存在です。

世界の研究開発費の20%を占めるイノベーションの拠点です。

アメリカでは小規模な事業者、女性、有色人種が有する製造業事業者に再教育を行い、製造業を活性化しています。

研究開発と最先端技術産業に3000億ドルの投資を行い、付加価値の高い分野を活性化しています。

2003年から2013年にかけて、アメリカではシェールガス革命が起こり、

それまで中東から石油を輸入していましたが、シェールガスがとれるようになってからのアメリカは

資源輸出国になりました。

ゆえに、アメリカは「国際関係にコミットしてもメリットがない」という考えが生まれ、

「アメリカ・ファースト」、つまり、外国を助ける前に、まずは自国の人々を助ける、

という政治政策が強くなりました。

アメリカの政治

アメリカには50の州と1つの特別区があります。各州はそれぞれ独自の憲法や法律を持っています。

アメリカでは大統領制をとっています。大統領はアメリカのリーダーであり、国家元首です。同時にアメリカ合衆国の最高司令官でもあります。

アメリカでは行政(内閣)と立法(国会)が完全に独立し、互いに牽制しあって権力のバランスを保つようになっています。

アメリカには民主党と共和党の二大政党があります。民主党は、一般的に労働者や黒人、ヒスパニックなどのマイノリティの支持が高いと言われ、きちんと税金をとり、社会保障を充実させていくべきだと考えています。

対して共和党は、一般的に白人や富裕層の支持が高いと言われ、自由主義な政策を進めてきました。

メキシコ国境を超えて徒歩でやってくる、貧しいラテンアメリカの人々をどこまで受け入れるのか、

そのような移民問題はアメリカにおいて最大級の論点でもあり、大きな政治的課題の一つとなっています。

執筆者:山本和華子

【参考文献】

串田誠一著『学校では教えてくれない世界の政治』

山中俊之著『教養としての世界の政党』

鈴木一人著『資源と経済の世界地図』

山岡信幸著『激変する世界の変化を読み解く 教養としての地理』

宮路秀作著『経済は地理から学べ!』 

【本を出版しました】

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