オーボエ奏者、金子亜未『Voyage』 ~極上のクラシック音楽を聴いてみたシリーズ~

私、筆者がオーボエの魅惑を知ったのは、学生のときでした。

オーケストラバージョンの、ラヴェル作曲の「クープランの墓」を聴いて、

大変に、それはもう大変に感銘を受けまして、

こんなに美しい音色があるのかと驚き、また世界を好きになるのでした。

オーボエの魅力は何といっても、春のうららかさと秋の憂いを最上級に表現するところだと思います。

そういう意味でオーボエは、イエベ担当だと思っています(笑)

今日は、オーボエ奏者である金子亜未さんの「Voyage」の感想を書いていきたいと思います。

目次

シューマン作曲 3つのロマンス

【第1曲】

高くそして長く啼く、憂いを帯びた響きから始まります。

その後、華やかで開放的なロング・トーンのメロディに続いていきます。

【第2曲】

朗らかで穏やかな、春の麗らかさを表現するような演奏です。

中盤で曲調が変わり、陰りの見せる情景となります。

【第3曲】

もの寂しげな旋律と穏やかな旋律が交互に重ねられます。

秋の寂しさと、ほんのり豊かな午後の日差しを表現するような、上品な演奏です。

オーボエ・ソナタ ニ長調 サン=サーンス

【第1楽章】

ゆったりと豊かなメロディで始まります。

中盤、少し陰りの見える音程で登りつめるメロディから一転、

山の頂上に辿り着いたかのような、清々しいメロディに包まれます。

そして再び、ゆったりとした豊かなメロディに戻ります。

【第2楽章】

誰かを遠くから呼んでいるような旋律から始まります。

その後、春の日差しのような温かい情景を彷彿とさせるメロディに移っていきます。

途中、桜の花びらが舞い落ちるような表現もあって、

(サン=サーンスは桜を知っていたのか?)

とても表現豊かだと感じられました。

【第3楽章】

テンポの良いリズムから始まります。

金子さんの技巧のたくみさが光る作品です。

執筆者:山本和華子

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