よく、古代ギリシャと古代ローマの対比にまつわる記事は目にしますが、
実はその時代、古代ギリシャと古代ローマだけでなく、
ペルシャ文化とフェニキア文化も興っていました。
今回は、その4つの文化圏について見ていこうと思います。
古代ギリシャ
古代ギリシャ(紀元前12世紀〜紀元前146年)は、地中海世界における最も影響力のある文明の一つです。
ポリス(都市国家)を中心に発展し、民主政、哲学、芸術、科学、スポーツ(オリンピック)など、
現代文明の基礎を築きました。
地理的特徴は山岳地形で、経済基盤は海上貿易と農業でした。
宗教はゼウス、アフロディテ、アテナなどの多神教でした。


古代ローマ
古代ローマ(紀元前753年〜西暦476年)は、イタリア半島に成立し、
王政・共和政・帝政を経て地中海世界を統一した強大な帝国です。
ローマ法、軍事戦略、建築技術が発展し、ヨーロッパの歴史に大きな影響を与えました。
経済基盤は農業と交易、インフラ整備で、宗教はユピテル、マルスなどの多神教でした。
古代ペルシャ
古代ペルシャ(紀元前550年〜西暦651年)は、アケメネス朝ペルシャ(キュロス大王による建国)から始まり、
広大な領土を統治した帝国です。中央集権的な統治体制(サトラップ制)を確立しました。
地理的特徴は平原、砂漠地帯で、経済基盤は農業、交易路(王の道)、貨幣経済です。
ペルセポリス(3代皇帝ダレイオス1世が建設を開始した都市)の建設が特徴的です。
宗教は、ゾロアスター教が国教でした。


古代フェニキア
古代フェニキア(紀元前3000年頃〜紀元前539年)は、
現在のレバノン・シリア沿岸(東地中海)に栄えた海洋交易国家です。
フェニキア文字はアルファベットの起源となりました。
経済基盤は海洋貿易で、宗教は、バアル、アスタルト、エルなどの多神教です。
ガラス製品、金属細工、紫染料などの工芸品と、レバノン杉を活用した建築が発展しました。
執筆者:山本和華子



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