人類は長い歴史の中で、社会を作り、その社会と適合し、折り合いをつけていく中で、
人間としての思考や心というものが出来てくるようになりました。
その中でだんだんと、
森や自然(災害)を恐れずに共存し続けた人々(森の人)と、
森や自然(災害)を隔絶させて、支配しようとした人々の2種類に分かれていきました。
森の人の特徴は、森に棲む鳥や昆虫の鳴き声や音から創案された音楽を作っていくようになりました。
その音楽は、生活圏の中にある素材から、遊び心によって作られたものでした。
それはのちに、「アニミズムの音楽」と呼ばれるものになっていきます。
アニミズムとは、自然界に存在するあらゆる物事に魂が宿る、という信仰や世界観です。

一方、人間は「シャーマンの音楽」も成立させていきます。
シャーマンの社会では、シャーマン(祈祷師)が神との間で意思の疎通をはかり、仲間の集団に対して神の意思をお告げとして語ります。
そのために、シャーマンは神の世界と繋がるための音を出す楽器を使う必要がありました。
マラカスは雨の音、オカリナは風の音、太鼓は雷の音など、
楽器の音色は自然界の音に似せて作られていたと考えられています。
それは、天(神)からのメッセージの模倣として認識されていました。
執筆者:山本和華子
参考文献 若林忠宏著『もっと知りたい世界の民族音楽』
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