世界最古の楽器
ドイツ南部にあるホーレ・フェルス洞窟遺跡で、
ハゲワシの翼の骨で作られたフルート(尺八系)が発見されました。
それが現在、世界最古の楽器だとみなされていて、
4万年前のものであることが明らかとなりました。
人間はいつ頃音楽を発明したのか
人間は社会をつくり、社会と適合していくなかで、社会に対して「無理と不自然と矛盾」を感じるようになりました。
それにより、人間の思考・心の問題が出てきました。
音楽への求めや嗜好は、人間の群生性が関係していると考えられています。
アニミズムの音楽
アニミズムの時代は、森・闇・自然(災害)を恐れずに共存し続けた人々が、
生活圏の中にある素材から、遊び心で創作したものが音楽だと考えられています。
それは、何千年もの間、ほとんど変化もせず、同じように演奏され続けてきました。
シャーマニズムの音楽
自然を支配するために、特別な能力を持つ特殊な人間、つまりシャーマンが出てきます。
シャーマンは亡くなった人の霊を呼び寄せたり、悪霊や病魔と戦ったり、神と対峙していました。
シャーマンは、自然界とリンクするための音を出す楽器を使う必要がありました。
たとえば、マラカスは雨の音、オカリナは風の音、太鼓は雷の音と、
自然の音に似せて作ったと考えられています。
一方で弦楽器や口琴類は、人間の側から天(神)に訴えかけることを象徴していると考えられています。
宗教の音楽
人間の信仰の歴史で考えると、エジプト新王朝の時代と、
ユダヤ教の発生の頃(紀元前13世紀)に、大きな変革期がありました。
これは、アニミズムおよびシャーマニズムの時代が、宗教の時代になったことを意味します。
音楽が飛躍的に発展するのは、宗教の確立以降となります。
<ジプシー(ロマ)の音楽>
ロマは北インドに起源を持つ移動型の民族です。
ロマは各地を放浪し、音楽の演奏やダンスなどを行う旅芸人として生計を立ててきました。
ロマの音楽の大きな特徴として、テンポや強弱の激しい変化や、
細やかなリズムや奔放な修飾、グリッサンドの多用などがあげられます。
なお、管楽器を用いたロマ音楽を、チェチェクと言います。
ユダヤ人の音楽
中世におけるアラブ・オリエント音楽が、アラブ・アンダルシア音楽と結びつき、
さらに中央アジア音楽と結びつくには、ユダヤ人放浪芸人の役割が非常に重要でした。
つまり、太古のシャーマン大民族の芸人部族が東西にディアスポラ
(ユダヤ人・ギリシャ人・アルメニア人等が元の居住地を離れて暮らし始めたこと)し、
その一派であったインド系ジプシーが西へ旅した流れに対し、
ユダヤ人放浪芸人は東へ旅しました。
ジプシーの音楽が「旧地で得た音楽や楽器を新天地で大衆扇動に利用するばかりで、
伝統や特性に対する尊重の意識に全く欠けている」のに対し、
ユダヤ人の音楽は、「音楽の伝統と楽器の特性・奏法を重んじ、それを多くの新天地に広めた」という功績があります。
ユダヤ人放浪芸人は、音楽様式を正確に運んだほか、ウードやリュートの前身楽器を東西に広め、
中世ペルシャの楽器をシルクロード全域に広めました。
執筆者:山本和華子
もっと詳しく知りたい方は、コチラの本がオススメです。
ツイッター(@wakako_kyoto)もやっています。よかったらフォローしてね♪