モーツァルトは1756年に、オーストリアのザルツブルクに生まれました。
モーツァルトは、ハイドンや ベートーヴェン と並んでウィーン古典派の人物とされています。
当時のザルツブルクは豊かな音楽都市でした。音楽の中でも特に宮廷音楽が発展しており、優秀な音楽家たちが活躍していました。
モーツァルトの父、レオポルトはザルツブルク宮廷楽団の副楽長として活躍しており、卓越した演奏家でした。
また、息子モーツァルトの音楽教育にも熱心でした。
モーツァルトはレオポルトのもとで音楽を学びますが、彼の天才的な才能に周囲は驚愕していきます。
そして父レオポルトは、息子モーツァルトを世界最高の音楽家にしようと決意するのです。
レオポルトはモーツァルトを、各国の主要都市を巡る旅行に連れていきました。
旅行の道中、ヨーロッパの音楽に触れ、そして神童の存在をアピールしていきました。
モーツァルトはその旅行により、豊かな音楽体験を得ることとなりました。
モーツァルトの作品は全体を通して長調が多く、装飾音の多い優美で軽快な音楽が多いのが特徴です。
雅で宮廷風の華麗で気品あふれる、パッと華やかな音楽は、当時の音楽の流行でもあり、それはロココ様式もしくはギャラント様式と呼ばれています。
交響曲第25番 ト短調
モーツァルトは一生涯において短調の交響曲を2曲しか書いておらず、そのひとつがこの第25番です(もうひとつは40番)。
第25番は映画『アマデウス』の冒頭シーンで使われたことで有名です。
第25番はモーツァルトが17歳の時の作品です。
17歳という少年とは思えないほど、情熱と悲劇的な緊張感を示す作品です。
第1楽章は荒々しいシンコペーションのリズムと、急速に上昇していく旋律で構成された主題が非常に印象的です。
第2楽章は、ヴァイオリンとファゴットの対話のような、哀愁を帯びた穏やかなメロディーが美しいです。
交響曲第41番 ハ長調<ジュピター>
交響曲第41番は、モーツァルトが作曲した最後の交響曲です。
この交響曲の構成の特徴は、第4楽章にウェイトが置かれていることです。
第4楽章の冒頭で「ド・レ・ファ・ミ」の印象的なメロディが提示されますが、この「ド・レ・ファ・ミ」はジュピター音型と呼ばれています。
このジュピター音型が形を変えて、様々な楽器によって演奏されています。
第1楽章の冒頭では力強く響く和音に続き、旋律が奏でられます。
モーツァルトらしい優美で繊細なメロディと、力強さのコントラストが見事です。
第3楽章では滑らかに下降していく音階が印象的です。
執筆者:山本和華子
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