正倉院にはどんなお宝が眠っている? ~琵琶から仮面まで~ ~日本文化紹介シリーズ~

はいみなさんこんにちは。

今日は、正倉院と、正倉院に眠っているお宝についてご紹介していきたいと思います。

【正倉院とは?】

正倉院(しょうそういん)とは、奈良県奈良市の東大寺大仏殿の北西に位置する、大規模な高床式倉庫です。

また正倉は、三角の木を組んだ校倉造(あぜくらづくり)になっています。

聖武天皇や光明皇后ゆかりの品をはじめ、天平文化を代表する多数の美術工芸品が納められています。

宝物の中には西域で作られ、シルクロードを経て伝わったもの、当時の中国であるで制作されたものもあります。

正倉院宝物は、北倉・中倉・南倉に分けて納められており、倉ごとに収納された宝物に特色があります。

北倉は、756年に崩御した聖武天皇の冥福を祈るため、妻の光明皇后が東大寺大仏に献納した、天皇ゆかりの品々などが収められています。

中倉には、東大寺の経営に関わる文書や、東大寺での儀式関係品が収まっています。

南倉では、聖武天皇の崩御当日の儀式をはじめ、四十九日、一周忌の法要の関係品が収められています。なかでも注目されるのは、752年4月9日に行われた、東大寺大仏の開眼供養会(かいげんくようえ)の儀式用品が収められていることです。

【正倉院に収められている宝物には何がある?】

平螺鈿背発覚鏡(へいらでんはいはっかくきょう)

この鏡の背面には、神秘的な光を放つ螺鈿(らでん)や琥珀(こはく)が樹脂の中にはめこまれ、その周囲には様々な宝石がちりばめられています。

螺鈿は屋久島から南の島に生息する夜光貝(やこうがい)で、琥珀は東南アジア、とくにミャンマーの奥地に産する赤い琥珀です。

そのほか、中東地域産のトルコ石、アフガニスタン特産のラピスラズリが埋め込まれています。

様々な宝石の産出地をあわせて考えると、この鏡の製作地は、当時、政治的にも文化的にも東アジアの中心地であった唐であると考えられます。

螺鈿紫壇弦琵琶(らでんしたんのごげんびわ)

もともとインドに起源をもつという五弦琵琶は、ガンダーラ、そしてシルクロードを経て中国に入り、唐代に完成したと言われています。

この琵琶は、紫檀(したん、木材の種類)材を本体にし、花模様に螺鈿を埋め込んで装飾しています。

琵琶の表には、ペルシャ人らしき人物が琵琶を奏でている図が螺鈿で表されています。

金銀平文琴(きんぎんひょうもんきん)

この楽器は、宝物の中でも五指に入ると言われるほど素晴らしいと言われています。

嵯峨天皇が収めた唐代の琴です。

琴は「キン」と読み、紀元前から伝わる、中国を代表する弦楽器です。

日本で現在「コト」と呼んでいるものとは種類が異なります。

この琴は、桐材をくりぬいた胴に別の材を裏板に当て、全体にを塗り、金や銀の装飾を、平文(ひょうもん)の技法によって施しています。

伎楽面(ぎがくめん)

東大寺大仏の開眼会(かいげんえ)が開催されたとき、その儀式を一段と華やかにしたのがこの伎楽です。

伎楽は、ペルシャやインド、中国の南方的要素が混在している仮面劇で、様々な文化が混在しています。

端正な顔立ちの乙女の面は呉女(ごじょ)、怒りをあらわにした力士や金剛、架空の鳥である迦楼羅(かるら)など、仮面はそれぞれに個性あふれた表情をしています。

瑠璃杯(るりのつき)

こちらはみごとなコバルトブルーで、上質の杯(さかずき)です。

この瑠璃杯はササン朝ペルシャで作られ、8世紀に日本に輸入されたと考えられています。

執筆者:山本和華子

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