日本仏教13宗派の違いの解説 ~何が違うの?それぞれの宗派の教えの特徴について解説~

目次

法相宗

法相宗の目的は、「諸法(ありとあらゆる存在)」の「性相(本質と現象)」を明らかにすることです。

事物のありようには、「妄想されたもの(遍計所執性、へんげしょしゅうしょう)」と、

「他によるもの(依他所執性、えたきしょう)」と

「完全に成就されたもの(円成実性、えんじょうじっしょう)」の3つがあり、

修行によって、最高真理とされる「円成実性」を目指します。

そのためには、人間の意識構造の最深部にある「阿頼耶識(あらやしき)」を

深く把握し、心というのは幻や焔のようなものにすぎないと見極めることが重要です。

この阿頼耶識こそ、悟りの原資です。

この真理を、ヨーガ修行によって体得することを目指します。

華厳宗

華厳宗は、「華厳経」の思想に基づいて成立した宗派です。

この経典の本尊は毘盧遮那如来(びるしゃなにょらい)で、真理そのものを象徴化して具現化しています。

毘盧遮那如来は絶対の真理、宇宙そのものを表しています。

「蓮華蔵世界」とは、生きとし生けるものすべてに、真理の法が説かれる場です。

「重々無尽の縁起」とは、全宇宙のありとあらゆる事物が互いに交じり合い、

生き滅し転じ変じている、という意味です。

律宗

律宗は、「戒律」を重視した宗派です。

仏道修行の基本は「戒(かい)・定(じょう)・慧(え)」とされています。

戒律を守り、正しい瞑想法を実践すれば、真理が得られるといいます。

「戒」の語源は、サンスクリット語の「シーラ」であり、「気立てが良い」という意味です。

したがって「戒」とは、「気立ての良い人間となるための行動規範」という意味になります。

天台宗

天台宗は、「法華経」に基づいて構築された宗派です。

天台宗は「万人成仏」といって、この世の生きとし生けるものは、

いつかは悟りを開いて仏になれるという教えを説いており、現世に対して非常に肯定的なところが特徴です。

真言宗

真言宗は、インドで生まれた密教の流れ汲む、大乗仏教の最終形態です。

「即身成仏」とは、密教の本尊である大日如来と一体化して修行を積めば、

身体のままで悟りを開くことができるという教えです。

そのための実践方法に、「三密」があります。

融通念仏宗

一人が唱えた念仏が、すべての人の念仏と融けあい、大きな功徳になるという教えです。

その功徳が自分に戻ってくるため、極楽浄土へ行けるのです。

融通念仏宗の布教方法は、勧進聖(かんじんひじり)という僧侶が、

各地を歩きながら布教する方法を取っていました。

浄土宗

浄土宗の宗祖は法然です。

浄土宗は、西方極楽浄土にいるとされる阿弥陀如来を崇めて念仏することによって、

死後は極楽浄土への往生を願います。

法然は、他力と専修念仏を説きました。

自分の力に頼って、さまざまな行為を実践しても、何の意味もないと説きました。

浄土宗が全盛期を迎えたのは、江戸時代です。その理由は、徳川家の宗旨となったからです。

浄土真宗

浄土真宗の宗祖は親鸞です。

しかし、親鸞自身は、法然の後継者を自認しており、新たな宗派を開いたという自覚はありませんでした。

親鸞に師事した唯円が、「歎異抄(たんにしょう)」を記したことでも知られています。

「歎異抄」では、自分が悪人であることを自覚できた者こそ救われる「悪人正機(あくにんしょうき)」の

教えが伝えられています。

時宗

時宗は、時衆(じしゅ)とも呼ばれてきました。

時衆とは、1日に6回、定められた時刻に念仏を唱える集団です。

時宗の宗祖は一遍です。

時宗の布教は、極楽浄土へ行けるためのパスポートのような札を配り歩くことで、

その旅の最中に生まれたのが踊り念仏でした。

臨済宗

臨済宗は禅宗の一派で、禅宗はブッダの悟り体験を自らの心身で再体験することを目指します。

禅の思想の中核には、「一即多(いっそくた)」「有無一如(うむいちにょ)」という、

「華厳経」からの影響が認められます。

臨済宗の特徴は、師から与えられた「公案」と呼ばれる課題を解き明かして、

悟りを追求するところにあります。

曹洞宗

日本の曹洞宗の宗祖は道元です。

道元は「正法眼蔵(しょうぼうげんぞう)」を記し、自身の体験や思索について論じました。

曹洞宗では、坐禅を重視します。

黙々たる瞑想によって、智慧の光で心の中を照らします。

坐禅に徹すれば、自己の内奥にもともとある仏性(ぶっしょう)が、おのずからあらわれると考えます。

黄檗宗

日本黄檗宗の宗祖は隠元隆琦(いんげんりゅうき)です。

黄檗宗の教えの中心にあるのが、念仏禅です。

念仏禅は、禅宗に浄土教の教えを取り入れたもので、念仏を唱えながら坐禅を組むことが特徴です。

日蓮宗

日蓮宗の宗祖は日蓮です。

他派を批判し、「法華経」を絶対視することが特徴です。

なぜ「法華経」が絶対的存在なのかを示したのが「五義」で、

その五義を実践する修業方法を「三大秘法」といいます。

執筆者:山本和華子

参考文献 正木晃著『日本仏教 13宗派がわかる本』講談社

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