日本に密教が伝えられたとされるのは平安時代と言われていますが、
それよりはるか以前に、奈良仏教には密教部があり、密教の祈祷も行われていました。
9世紀初頭、密教は唐(当時の中国)において最先端の仏教思想でした。
そこへ、空海が日本から留学しにきました。
空海は、「密教」に対し、それ以外の仏教の立場を「顕教(けんぎょう)」とひとくくりにしました。
顕教が主に経典の研究、あるいは言葉の理解によって解脱の道を模索しようとするのに対し、
密教は、「大日如来」から真理を直接、体を使った修行によって得ようとしました。

密教は、身体を使う修行を特徴とします。
手に印、心に仏を思いながら、真言を何万回も唱える三密行を行います。
それによって仏に心が集中し、澄み切った没我状態(三摩地、さんまじ)の状態に至り、
さらには、生身の身体のままで仏になる(即身成仏)を目指します。
密教の修行の一つに、「印を結ぶ(印契)」というものがあります。
それは、まさに仏との契約のことです。
密教では、右手は仏を、左手は自分自身を意味しています。
曼荼羅(まんだら)は、密教における世界観を表したもので、そこには宇宙、仏の教えのすべてがあります。
曼荼羅は、「絵で描いた経典」の役割を果たしています。
執筆者:山本和華子
参考文献 『あらすじとイラストでわかる密教』イースト・プレス



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