はいみなさんこんにちは。
今回は、書道の臨書で用いられる手本にはどんな内容があるのか、について解説していきます。
雁塔聖教序(がんとうしょうぎょうじょ)
楷書の作品。
中国の西安にある慈恩寺(じおんじ)にある褚遂良(ちょすいりょう)による作品です。
内容は、玄奘(げんじょう)が仏典を請来(しょうらい)して漢訳したもの。
褚遂良は初唐の書家です。
九成宮醴泉銘(きゅうせいきゅうれいせんめい)
楷書の作品。
唐の太宗(たいそう)が632年、離宮の九成宮に避暑に訪れたときに、たまたま醴泉を発見しました。
それを記念にして欧陽詢(おうようじゅん)が書いたものです。
欧陽詢は初唐の書家です。
多宝塔碑(たほうとうひ)
楷書の作品。
752年、顔真卿(がんしんけい)が記したもの。
唐代の高僧、楚金が千福寺の境内に多宝塔を建立した功績を述べたものです。
顔真卿は盛唐の時代の政治家、書家です。
松風閣詩巻(しょうふうかくしかん)
行書の作品。
黄庭堅(こうていけん)が「はん山」という山で遊んでいた折、この地の風光を愛で、山中の楼閣に「松風楼」と名付け詠んだ自作の詩を書いたもの。
黄庭堅は北宋の政治家、詩人、書家です。
蜀素帖(しょくそじょう)
行書の作品。
林希(りんき)という人物の招きを受けた米芾(べいふつ)が、その任地に遊んだときに読んだ自作の詩です。
蜀(四川省)で織られた絹(素)の巻物に書かれました。
米芾は北宋の書家です。
黄州寒食詩巻(こうしゅうかんしょくしかん)
行書の作品。
蘇軾(そしょく)が、流謫(るたく、島流しのようなもの)の身である自身の鬱屈した思いを託して書いたもの。
蘇軾は、北宋の政治家、詩人、書家です。
蘭亭序(らんていじょ)
行書の作品。
永和9年(353年)、蘭亭において曲水の宴が行われた折に、招かれた41人の各士がつくった詩を1巻にまとめた刺繍の序文を王義之(おうぎし)が書いたものです。
王義之は、書聖と呼ばれる東晋の書家です。
自叙帖(じじょじょう)
草書の作品。
内容は、懐素(かいそ)自身の学書の経歴を書き記した自己宣伝文。
懐素は唐代の僧侶で、「狂草」の代表的人物と言われています。
書譜(しょふ)
草書の作品。
孫過庭(そんかてい)によって書かれた書の技法論です。
孫過庭は、唐代の書家です。
李白憶旧遊詩巻(りはくおくきゅうゆうしかん)
草書の作品です。
黄庭堅が、唐代の詩人である李白の詩を書いたものです。
黄庭堅は北宋の政治家、詩人、書家です。
飲中八仙歌(いんちゅうはっせんかかん)
草書の作品。
張瑞図(ちょうずいと)が、唐代の詩人である杜甫(とほ)の詩を書いたものです。
張瑞図は、明代の書家、画家、政治家です。
曹全碑(そうぜんひ)
隷書の作品。
曹全の功績を記した頌徳碑(しょうとくひ)で、185年に建てられました。
礼器碑(らいきひ)
隷書の作品。
156年、曲阜(きょくふ)の孔子廟に建てられたもの。
韓勅によって行われた孔子廟の修築と、祭祀に用いる器物の政策を称揚したものです。
泰山刻石(たいざんこくせき)
篆書の作品。
秦の始皇帝が、泰山に巡幸した際、自らの徳を頌えて建てたものです。
執筆者:山本和華子
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