日本の伝統音楽の歴史と種類、特徴をわかりやすく解説 ~雅楽、能、狂言、舞楽、神楽、声明、歌舞伎、地歌、長唄、端唄~

目次

古代

古墳時代、日本列島ではそれぞれの土地の環境などから、その集団にしかない楽器が生まれ始めます。

木の多い日本では、人々は丸太をくり抜いて、弓の弦を張って楽器としました。

これが日本古来の楽器、「和琴(わごん)」の始まりです。

和琴の弦には絹糸が使われています。

奈良時代には、日本から唐へ、遣唐使が派遣されます。

8世紀の唐には、中東やインドなどの文化が集まり、そこから日本にも、

さまざまな文化が楽器がたくさん入ってくるようになります。

このとき、琵琶という楽器が日本に入ってきますが、この楽器はもともと中東のペルシャ生まれで、

名前をバルバットと言います。

琵琶(イラスト)



バルバットは15世紀になると西洋にも渡り、ルネサンス時代にはリュートという楽器が生まれます。

つまりバルバットは、ペルシャを中心に東西に伝わったと言えます。




この時代、日本は唐から、琵琶の他にも横笛、篳篥(ひちりき)、笙(しょう)、箏、太鼓、鉦鼓(しょうこ)、

鞨鼓(かっこ)という楽器が伝わり、

これらの楽器を使った音楽は「雅楽」として、現在もそのままの形で演奏されています。


奈良時代には、曲芸や物まね、寸劇、大道芸「散楽」などが大陸から伝わります。

それらはやがてお寺や街角などで行われ、「猿楽」となり、そしてのちに「能」として発展していきます。

6世紀、仏教が日本に伝わりました。

仏教儀礼で演奏される音楽も伝来し、僧侶が経文を旋律的な音の動きをつけながら唱える、

声明(しょうみょう)が日本でも行われるようになりました。

平安時代

平安時代、大陸からはさまざまな音楽がやってきます。

中国から伝わった唐楽(管弦・舞楽)や、朝鮮半島から伝わった高麗楽(こまがく)などに、

日本古来の音楽が融合し、雅楽に取り入れられるようになりました。

雅楽は大きく分けると、

①日本に古くから伝わるもの(神楽、倭舞、久米舞、東遊、五節舞など、後に国風歌舞(くにぶりのうたまい)として発展したもの)

②海外から伝来した唐楽や高麗楽

③平安時代につくられた、催馬楽(さいばら、和歌や民謡などの歌詞に節を付けて歌うもの)や、

朗詠(ろうえい、漢詩に節を付けて歌うもの)

に分けられます。

ちなみに神楽とは、日本の神道で行われる、神事に伴う音楽や舞のことです。

室町時代

室町幕府の三代将軍・足利義満は、観阿弥が演じる能を鑑賞し、とても感動してこの一座を保護しました。

観阿弥は、息子の世阿弥と共に、能の芸術性を高めた「幽玄」を表しました。

この親子の生み出した「観世流」は、今でも能の代表的な流派です。

猿楽から発展した芸能には、能のほかに狂言があります。

能は舞踊の要素が強いですが、狂言は、物まねや道化の要素があります。

江戸時代からあった狂言の家元、大蔵流と和泉流は、現在でも続いています。

江戸時代

江戸時代になると、争いごとが少なくなり、庶民が中心の町人文化が生まれます。

この頃、歌舞伎舞踊、人形浄瑠璃が人々の間で大人気となります。

人形浄瑠璃から作られた音楽に、義太夫節(ぎだゆうぶし)や常磐津節(ときわづぶし)、

清元節(きよもとぶし)などがあります。




三味線は元々ペルシャで生まれ、中国で三弦(さんげん)となり、琉球で三線(さんしん)となって、

16世紀に日本列島に伝わり、三味線となりました。

室内楽としての三味線音楽は地歌(じうた)と呼ばれます。

地歌は江戸時代に、京都や大阪などの上方を中心に発展しました。

地歌はその保、長唄物(ながうたもの)や端唄物(はうたもの)などの演奏様式に発展していきました。

執筆者:山本和華子

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