はいみなさんこんにちは。
今日は、密教とはどんな宗教なのかについてご紹介していきたいと思います。
まず、仏教の教えの特徴は、「輪廻(りんね)」と「解脱(げだつ)」です。人の一生は「苦」であることが前提で、輪廻(繰り返される生まれ変わり)は永遠に続き、すなわち苦しみも永遠に続く。その苦しみから逃れようと、人は修行をし、解脱を目指します。
苦しみが永遠に続く輪廻から解脱するための方法として、仏教が教えているのは「四諦(したい)を理解し、八正道(はっしょうどう)を行いなさい」ということです。
四諦とは、人生とは何ぞや、という真理を理解するための4つの真理です。
八正道とは、解脱に至る修行の基本となる、8つの正しい行いのことです。
密教以外の仏教は、主に経典や言葉の理解によって解脱の道を模索しようとしていました。
しかし密教は、「大日如来」がら真理を直接、体を使った修行によって解脱の道を得ようとします。
すなわち、手に印、心に仏を思いながら、真言を何千・何万回も唱える三密行です。
それによって仏に心が集中し、澄み切った没我状態(三摩地、さんまじ)の状態に至り、さらには、生身の身体のままで仏になる即身成仏(そくしんじょうぶつ)を目指すのです。
古来より日本には、言葉に言霊(ことだま)という霊が宿っているという思想がありますが、真言の繰り返しは、まさに言霊によって仏に近づこうとするものです。これこそが、密教修行の神髄なのです。
真言は、サンスクリット語で「マントラ」といいます。そのルーツは、インドにあります。
インドにおける最高神ブラフマン(梵)は、大宇宙の原理を司りますが、本来の意味は「言葉」でありました。
霊感によって受け取った言葉を集約したものが聖典ヴェーダで、マントラのルーツは、インドの最古の聖典『リグ・ヴェーダ』に由来すると言われています。
マントラを唱えることで、神々の力の一部を授かることが出来ると考えたのです。
インドの宗教や哲学をもっと知りたい場合は、こちらをご覧ください。
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密教には、「印(いん)を結ぶ」「印契(いんげい)を作る」という行為があります。その組んだ手の形を「手印」と呼びます。それはまさに仏との契約を表し、仏と一体になります。
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密教においては、右手は仏を、左手は自分自身を意味します。
もっともポピュラーな印は、両手を合わせる合掌印です。私たちも普段何気なく合わせていますが、これは大日如来=宇宙との合一を意味しています。
その印は、紀元前1500年ごろのインドが起源とされています。
当時のバラモンの僧が行っていた宗教的儀式中の手ぶりが、その由来だと言われています。
密教の独自性は、結印+真言+仏に集中した状態によって、大日如来とダイレクトにつながろうとし、即身成仏を目指すことです。
曼荼羅(まんだら)は、密教における世界観を表したものです。そこには宇宙のすべてがあります。
執筆者:山本和華子
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